【校長室だより】

【校長投稿】学校行事

体育祭 校長挨拶

開会式

おはようございます。最高の体育祭日和になりました。

本日は多数のご来賓、保護者様に隣席いただいております。誠にありがとうございます。

また、体育祭の企画・準備にあたった、生徒会、体育祭実行委員、グランド整備をしてくれた部活動や各委員会の皆さん、ご苦労様でした。

今年の体育祭は第120回です。明治時代から連綿と続く伝統行事です。皆さんにはその重みを肌で感じて欲しいです。

ところで、大谷選手の連日の活躍、すごいですね。先週19日(木)のマーリンズ戦で大爆発し、50本塁打・50盗塁 という前人未踏の大記録を達成しました。その後も着々と数字を伸ばしていて、55-55 も視野に入ってきました。

彼の偉業は、日々の地道な努力の賜物です。我々の学校生活も同様ですが、どんなに小さなことでも積み重ねていくことが、やがて大きな成果につながります。

努力を毎日積み重ねることは誰でもできます。前の日よりも 1.01倍 成長すれば、1年続けるだけで 37.8倍 も成長した自分になります。

大谷選手の活躍からパワーをもらい、今一日頑張りましょう!

自分の持てる力を存分に発揮し、クラスの団結力もしっかりアピールしください。

それでは、総合優勝目指して頑張りましょう!!

 

閉会式

今日は、皆さんが力一杯競技する姿を見ることができて大変嬉しく思いました。

また、クラスTシャツや仮装、部活対抗リレーなど、工夫を凝らしたものが数多く見られて良かったです。

結果を見ると、チームとして戦略を持ち、団結力を発揮したクラスが上位を占めました。

これで体育祭は終わりますが、次は本校最大のイベント、秩農工祭 です。

其々の企画でさらに結束し、感染症対策を万全に行った上で大いに盛り上げてください。

本当に素晴らしい体育祭でした。関わったすべての皆様に感謝の気持ちをお伝えします。

ありがとうございました。

最後に、危機管理 の話をあえてこの場でさせていただきす。

能登の豪雨災害で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々へお見舞いを申し上げます。

1月の震災後には生徒会の役員を中心に募金活動を行い、秩父市を通じて義援金をお届けしました。

こうしたご縁もあり、今回のこのような災害を防ぐことができなかったことが悔しくてなりません。

いつも言っていることですが、「何かあったら自分の身は自分で守ならなければならい」。「リスクがあるとわかっていることは一つ一つ芽を摘んでいかなければならない」。

開会式でも話しましたが、危機管理に於いても日々の取組が重要です。

むすびに、今月30日までが「秋の全国交通安全運動」の期間中です。

帰るときには気持ちを切り替えて、事故にあわないよう気をつけて帰宅してください。

以上で終わります。

令和6年度第3回壮行会 校長挨拶

ただ今紹介のあった男子ソフトボール部員8名が

10月12日から開催される SAGA2024国民スポーツ大会 ソフトボール 少年男子 に出場します。

これまでの国民体育大会(国体)が国民スポーツ大会(国スポ)に今年から変わります。

皆さんご存知の通り、本校の男子ソフトボール部は全国に名の知れた強豪校です。

しかしながら、インターハイ予選では昨年に続き熊谷工業に苦汁を飲まされるなど、悔しい思いをしました。

悔しさをばねにして、今度は熊谷工業の選手たちと一致団結して、関東ブロック予選を一位で勝ち抜け本戦出場を果たしました。

夏休み中も、気を抜くことなく努力してきた成果だと思います。

おめでとうございます。

いつも言うことですが、一番大事なことは、自分の力が十分に出せることだと思います。

大会日程を考えて、体調やメンタルを調整してほしいと思います。

それでは、秩父農工科学高校の代表として、そして埼玉県の代表として、頑張ってください。

これから、校歌斉唱があります。大きな声で校歌を歌い、選手を送り出してください。

令和6年度第2学期始業式 校長講話

 おはようございます。

 今年も暑い日が続きましたが、ここにいる皆さんは、充実した夏休みを過ごしたことと思います。夏が過ぎると次の季節は秋。「秋」という字は「禾偏に火」の組み合わせです。禾は穀物を表し、火は乾かすという意味です。早いところでは「はざかけ」をしている田んぼも見かけます。米や麦だけでなく、リンゴやナシ、ブドウなどの果物、クリやサツマイモなど多くの農作物が収穫される季節であり、「実りの秋」と呼ばれます。

 2月4日の立春から数えて二百十日(今年は9月1日でした)頃が台風の多い日、風の強い日と古くから言い伝えられてきました。農作物の収穫に大きな影響を及ぼす台風が日本列島に数多くやってくる時期であり、台風の襲来を恐れ、少しでも被害が少なくなるよう備える季節です。予報の精度が向上している現代に於いても、被害を食い止めることができません。台風10号によって亡くなられた方、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 台風の余韻が残る中で、今日は皆がよく集まりました。そもそも始業式の目的は二つあります。一つは、長期休業を終えての再会の日に元気な姿を互いに確認して喜び合うこと。二つ目は、新たな学期の始まりにあたって重点的に取り組むことや大切にしたいことを皆で確認・共有すること。まずは、元気な皆さんと再会できたことを素直に喜びたいです。この夏、皆さんにはどんな出会いや発見があったでしょうか?自らの成長を実感する機会がありましたか?次のチャレンジに向かう意欲が高まる夏になりましたか?

 今学期心がけてほしいこと、目標にしてほしいことを2つ伝えます。

 一つ目は、「計画性をもって地道な努力を積み重ねてほしい」ということです。3年生は社会の扉を開く時(就職や進学のための試験)が間近に迫っています。どの扉を選ぶかは人それぞれですが、共通するのは、自分で選び、自力で近づき、自分の手で開く、ということです。自動ドアなどありません。また、開いた後の世界は様々、まさに未知の世界ですが、近づくための努力は仲間たちと励まし合いながら一緒にできる、これが学校の素晴らしいところです。扉に届くまでの時間をしっかりスケジューリングし、自分に嘘をつかない、最後まで諦めない、地道な努力を積み重ねてください。こうした努力の積み重ねは、貴重な経験として必ずやこれからの人生に活きていきます。夢を志に高めて、苦難を乗り越えてください。1・2年生は、先輩の姿をしっかりと目に焼き付け、「自分の扉探し」と「夢や目標を実現するための参考」にしていきましょう。

 二つ目は、「一皮むける」ということです。この夏に部活の合宿や大きな大会などを通じて経験した人もいると思いますが、なかなか自分では気づきません。自分を成長させるための脱皮には、新しい人との交流や初めての経験が役に立ちます。偶然でもかまいません。できれば意図的に、自身の変革を促すことを意図した脱皮を心がけてください。一皮ずつむいていけば、いずれは変革を遂げた自分に出会えるでしょう。2学期にむく初めの一皮を何にするか?体育祭、秩農工祭、マラソン大会、インターンシップ、色々な行事があります。率先しての挨拶による居心地の良い環境づくり、授業・実習・部活動に臨む姿勢の変革など、より良い集団を創り自身を高めるため皮を剥く。思い立ったら即実行です。

 1年の中で最も忙しい、でも充実感のある2学期が今日からスタートします。ぼんやり過ごしていてはもったいない学期の到来です。何事にも意志を持って真正面から向き合い、仲間とともに思い出の種をたくさん蒔きましょう。

 以上、ひさしぶりの再会を喜ぶとともに、2学期への期待をお伝えし、始業式の式辞とします。

令和6年度第1学期終業式 校長講話

 おはようございます。

 はじめに、先日の豪雨で被災された愛媛県の方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。いつ、何時、こうした災害に見舞われるかわからない時代です。今日明日中に関東地方でも梅雨明けが宣言されそうです。感性を磨き、常にアンテナを高くして、自分の命は自分で守る、熱中症対策を含め、危機管理を徹底させてください。

 さて、今日は庭園デザイナーで僧侶の 枡野 俊明(ますの しゅんみょう)さんのコラムから二つの禅語(禅宗の文献に書き記された言葉)を紹介します。枡野さんは、禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得ています。曹洞宗のお寺のご住職であり、多摩美術大学環境デザイン学科の教授でもあります。2006年には、雑誌の『ニューズウィーク』日本版で、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されています。本校の図書館には枡野さんの本があるので、関心を持つ人がいたら読んでみてください。

  「人からよく見られたい、良い人だと思われたい。」という気持ちは誰もが持つ感情だと思います。そして、好意を寄せている人から好かれたいという私的な感情を持つことも、時としてあるでしょう。

 先週、野球部の応援に行って、選手たちの戦う姿を見て清々しく感じました。彼らは損得ではなく、チームの勝利のためだけに、臆することなくひたむきにプレーしたからこそ、私は心を惹きつけられたのだと感じました。つまり、「人からよく見られたい、好かれたい。」などという邪心を一切持たず、無心に戦う姿は魅力的であり、人を惹きつけるのだと思いました。

 一つ目の禅語は、「歩歩是道場」(ほほこれどうじょう)です。

 「いつでも、どこにいても、そこが道場であり、何をしていても修行になるのだ」という意味です。その心構えで、「一瞬一瞬を一所懸命に努めなさい」という意味です。一途に、一所懸命取り組んでいる人の姿を見て、好感を持つ人は多いと思います。

  よく見られたいという思いが強くなり過ぎて、ちょっと欲張って自分を“盛る”ことは、「自我」の現れと言えます。自分自身の存在や考え方に執着する心を「自我」といいます。リアルの人づきあいの中で自分を“盛る”のは、かえって自分を苦しめることになってしまうと思うのです。なぜなら「ありのままの自分」がいつまでたっても殻を破ることができないからです。人は、自身の未熟さを自覚し、それを改めようと努力することで成長します。自分を飾らず、ダメな部分も全てさらけ出し、ありのままの自分で人と接したいものです。

 二つ目の禅語は、「明歴々露堂々」(めいれきれきろどうどう)です。

 真理は探すものでも求めるものでもありません。すべてが、明らかに堂々とあらわれていることに気づきなさい、という意味です。多少自分を盛って人と接していても、あなたをよくわかっている人は、あなたのほんとうの姿をお見通しなのです。これから深くつきあっていきたいと思う相手なら、なおさら自分をさらけ出してください。自分を盛って人と接していると、いつまでも素の自分が出せず、よそよそしい関係になってしまうでしょう。ありのままの自分をさらけ出している人は親しみやすく、好感がもてると思います。自分が自分らしく生きることが「明歴々露堂々」です。また、それが生きる自信にもつながるのです。

 9月2日の始業式では、部活動やコンテスト、資格取得、進路活動等、様々なチャレンジを通して一回り成長し、自信に満ち溢れた皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

令和6年度第2回壮行会 校長挨拶

  ただ今紹介のあった弓道部が全国大会に、男子ソフトボール部が国民スポーツ大会関東ブロック予選に、少し先になりますが山岳部が関東大会に出場します。

 おめでとうございます。

 弓道部は、一昨年・昨年の女子に続き今年は男子の出場で、3年連続です。国民スポーツ大会の選手選考会では、男女とも最後の最後で代表に届かず悔しい思いをしました。今回は2年生が中心メンバーで、県立浦和高校に次ぐ2位で予選を突破しました。 

 男子ソフトボール部は、インターハイ出場を惜しくも逃してしまいましたが、本校から国民スポーツ大会候補選手が8名選出されており、8月に山梨県で行われる関東ブロック予選に挑みます。 

 山岳部は、久しぶりの関東大会出場です。日頃の訓練、また、あちこちの山行で、技術、チームワークを磨いてきた賜物です。大会までまだ時間があるので、経験値をさらに上げ、箱根の山で農工山岳部の存在をアピールしてきてほしいと思います。 

 壮行会のたびに話していることですが、一番大事なのは自分の力が存分に発揮されること。大会日程を考えて、体調やメンタルをしっかり調整してください。秩父農工科学高校の代表として、そして埼玉県の代表として、頑張ってきてください。 

 校歌練習の成果を発揮して、大きな歌声で選手を激励し、皆で送り出しましょう。

令和6年度球技大会 校長挨拶・講評

開会式 挨拶

  みなさん、おはようございます。

  天候にも恵まれ、最高の球技大会日和になりました。考査前から準備を進めてくれていた生徒会と球技大会実行委員会の皆さん、ありがとうございます。

 今日はプレーする選手だけでなく、観戦する人達も応援で盛り上げ、球技大会を目一杯楽しんでください。ただし、楽しさは自分で獲得するものであって、誰かが与えてくれるというものではありません。自ら身体を動かして、仲間を目一杯応援して、皆で楽しんでください。

 また、皆で楽しむためには、無茶や無謀、スポーツマンシップに反するような行為、厳禁です。一生懸命やる中でも、ルールやマナーを守ってください。

 試験明けで、運動不足気味の人もいると思います。今日は30℃超えとの予報が出ています。体調管理に気を配り、適度に水分補給をし、怪我などないよう気をつけてください。

 それでは、皆さんの健闘を期待して開会の挨拶とします。頑張ってください。

閉会式 講評

 実行委員長が開会式で言っていた「本気で楽しむ」、皆さんできましたか?素晴らしい球技大会でした。

 スポーツ には、生きることの本質が集約 されています。そこには、アスリートやチームそれぞれの プロセス、つまり ストーリー が必ずあります。

 一流のアスリートは、目の前の成果に満足することなく、次の課題と改善策を自分で考え、努力を続け、更なる高みに向けて新たな挑戦 をします。こうした経験は、これからの長い人生に於いて皆さんの財産になるはずです。皆さんには、こうした取組が色々な場面で実行できるようになって欲しいです。

 多くの部が、インターハイ(北部九州総体2024) の予選にこれから挑みます。県を勝ち抜き、さらに大きく羽ばたきましょう。

 後片付けなどでこの後もお世話になる人たちがいます。最後までよろしくお願いします。お疲れ様でした

令和6年度第1回壮行会 校長挨拶

 おはようございます。

 最近のスポーツ界は、大谷選手の話題でもちきりですが、同じメジャーリーグで戦っているダルビッシュ有投手が、日米通算200勝という快挙を先日達成しました。

 日本で93勝、米国で107勝ということで、メジャーに渡ってからの勝利数が上回っていることも凄い のですが、何より37歳の身体で、未だにメジャーの第一線でフル稼働しているところなどは、彼の努力の賜物だと思います。

 さて、只今紹介のあった 陸上競技部の 坂本 銀冴 君が、6月14日~17日にかけて 東京の駒沢オリンピック公園 で行われる 関東高等学校陸上競技大会 に出場します。

 陸上競技部員がたゆまぬ努力を続けているのを、私を含めた多くの人たちが知っています。これからも全ての部員が自ずと良い結果を出すものと確信しています。坂本君には、全力を出し切って自己ベストを出すことを期待します。

 今まで積み上げてきたことを自信にして、大きな舞台で思う存分力を発揮してください。ここにいる全校生、教職員、また、保護者、地域、同窓生の方々皆が応援しています。

 秩父農工科学高校の代表として、埼玉県代表として、悔いの残らぬよう、仲間と自分を信じて、精一杯戦ってきてください。

 これから、校歌斉唱があります。ここにいる全ての皆さんで大きな声で校歌を歌い、選手を勇気づけましょう。

令和6年度離任式 転出・退職された先生方のご紹介

 日に日に山の木々が鮮やかさを増しています。今週に入ってから、関東大会予選で地区大会を勝ち抜いて県大会に駒を進めた部、関東出場を惜しくも逃がしたもののこれまでで最高の成績を収めた部、皆さんの頑張りが続々と報告され、大変嬉しく思っています。

 さて、今日は離任式です。離任式は、私たちから3月までお世話になっていた先生方に感謝の気持ちをお伝えするとともに、先生方からも、皆さんに対して離任の思いを伝えていただく最後の機会です。昨年もこの場で話しましたが、「一会一生(いちえいっしょう)」という言葉を覚えていますか?「一度会ってできたご縁は一生の宝になる」という意味です。それだけ、人との出会いはかけがいのないものであると私は考えます。

 それでは、今まで本校のためにご尽力いただいた先生方とのお別れの会(離任式)を始めます。昨年度末に14名が栄転、転出、退職され、今日は3名の先生方から直接ご挨拶いただくとともに、2名の先生からメッセージをお預かりしております。

  中略

 結びに、生徒の皆さんには「一会一生(いちえいっしょう)」の学びを、是非この場で体感して欲しいと思います。離任される先生方のご多幸、今後のご活躍を心より祈念申し上げます。

令和6年度第1回定例生徒総会 校長挨拶

 皆さんこんにちは。急に暑くなりました。今週前半は雨続きでしたが、毎年4月20日頃は二十四節季のひとつ、穀雨にあたります。今年は先週金曜の19日でした。穀雨が過ぎれば降雨量も少しずつ増えるので、平野部では田植えの時期の目安になっています。私の住む川越では、田んぼに水が張られているところが目につくようになりました。春らしい陽気になると、ついつい外出したくなりますよね?

 私事で恐縮ですが、この学校に着任してから札所巡りにはまってしまい、いくつか寺社仏閣を訪ねました。「せっかく秩父で仕事をするのだから」という理由で何となく始めたことですが、変わったハンコを押してもらえる御朱印や、達筆すぎてなんて書いてあるのか一見してわからない御朱印を集めるようになり、一つ一つが個性豊かで面白いです。

 御朱印集めを始めて、少しずつ仏教に興味を持つようになりました。その道のプロがいるこの学校で、このような話をすのはおこがましいのですが、穀雨は「種まきなどの農作業に適した時期」と言われています。「自分にとって成長につながる、学び初め(自身の種まき)にも良い時期なのではないか?」と考えるようになりました。穀雨をきっかけに、少しずつでも、自分の興味のあることを学び始めて欲しいです。私のように仏教や御朱印についてでも結構ですし、人によっては語学を学ぶというのでも良いでしょう。秩父市在住の人たちには、この夏休み中の「短期留学」のお誘いも来ています。

 大型連休中に、「本や漫画をじっくり読む」とか、「気になっていた映画をまとめて観る」とか、「押しのアーティストの新曲を聴いてみる」とか、趣味に近いことでも良いので、ゆとりのある人は、何か新しいことを始めてみてください。部活に勝負をかけている人たちは、今しかできないことに全力投球してください。また、応援に行きます。 

 さて、今日の総会で挨拶をと、生徒会長から直接依頼を受けました。この後の離任式でも出番があるので、手短にいきます。

 

 一点目、図書館ギャラリーと図書委員会のコラボ企画「部活動写真展」について

 二点目、交通事故防止5つの行動について

 三点目、秩父市長との意見交換会について

 

  三点目は秩父市長主催のイベントですが、我こそはと思う人はぜひ協力してください。

  以上です。皆の時間です。実りある総会になるよう、建設的な発言に期待します。

令和6年度入学式 式辞

 木々の緑が一斉に芽吹き、たくさんの花が咲き競うこの佳き日に、秩父農工科学高校に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。全ての教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎します。そして、皆さんを今日まで育て上げ、健やかな成長を支えてこられたご家族、関係の皆様に対しまして、心よりお祝いを申し上げます。

 入学式は、新入生の皆さんを歓迎する式であるとともに、この学校で学ぶという思いを確認する機会でもあります。この記念すべき4月8日を、「今日この日から始まる高校生活を実りあるものにするぞ」という誓いの日にしていただきたいと思います。

 さて、本校は、明治33(1900)年6月、 実業学校令により秩父郡立乙種農業学校 として設立され、以来124年の歴史の中、幾多の変遷を辿り今日に至っております。“勤勉努力”“質実剛健”“規律節制”“至誠一貫”“協同和親”を校訓に掲げ、2万7千5百人を超える優秀な人材を輩出してきた、地域の歴史とともに歩み続け、地域に信頼され、愛される学校です。

 目指す学校像に「秩父地域の産業と未来を支えるスペシャリストを育成する学校」を掲げ、地域の産業と文化の担い手を養成するというスクール・ミッションを達成するために、全校を挙げ日々の教育活動に邁進しています。

 ただ今入学を許可した新入生の皆さん。皆さんは9年間の義務教育を終え、自分の意思で本校への進学を決意し、合格されました。秩父農工科学高校は皆さんの入学を心から歓迎します。皆さんは、伝統ある本校で、そして、地元から深く愛されている本校で学ぶことに対して、誇りを持ってください。今まさに、大きな希望と幾ばくかの不安を胸に、新たな学校生活を始める皆さんへ、あらためて、高校とはどういうところなのかお話しします。

 学校は、学びあうところ。勉強はもちろんですが、それ以外にも様々なことを、教職員から、また生徒同士で学ぶことができます。本校には、色々な種類の、そして数多くの、学びの仕掛けがあります。皆さんには、それらの仕掛けに気付く人になってもらいたい。では、どうすればその仕掛けに気付く人になれるか。まずは、好奇心旺盛であること。そして、謙虚であることです。世の中は学ぶべきもので溢れていることを知っている人、そして、自分には足りないものがあることを自覚している人は、学びのチャンスを掴むことができます。学びのチャンスを掴むことができる人は、必ず成長します。

 次に、学校は、小さな失敗や挫折を経験する場でもあります。大人になって初めて失敗をしたのでは立ち直り方がわからず、前へ進めなくなってしまうかもしれません。学校で経験する小さな失敗や挫折を大切にしてください。それらの経験はきっと皆さんを強くたくましい人へと成長させてくれるはずです。但し、皆さんは、失敗したとき、ごめんなさいときちんと言える人であって欲しい。学校は、皆さんの失敗や挫折を見守り、支える存在なのです。

 そして、学校は、お互いを認めあうところです。認めあうとは、ぬるま湯のような関係であるということではありません。本校には、生徒・教職員を合わせると850名近くの人たちがいます。それぞれ個性を持つ人たちが、互いに切磋琢磨し、高め合う関係を築き上げています。まずは、皆さんが他人から尊重されるために、皆さん自身が他人を尊重することから始めてください。お互いを認めつつ、レベルの高い、みんなが居心地の良さを感じられる集団になりましょう。

 新入生の皆さん、この秩父農工科学高校で過ごす限られた時間を、大切にしてください。そして、皆さんの大切な時間を私たち教職員も共有させていただくことに感謝をし、式辞とします。

 

 令和6年4月8日

   埼玉県立秩父農工科学高等学校長 服部 修

令和6年度新着任式・第1学期始業式 校長講話

新着任式 

 皆さん、おはようございます。先日学年末の修了式が終わったと思ったら、もう4月になりました。

 時間が過ぎるのはあっという間です。桜が咲き始めると、いよいよ春が来たという感じがします。春は別れと出会いの季節です。これから自分がどんな出会いをするのか、考えたらわくわくしませんか?どの別れや出会いにも、必ず意味があるはず。誰かとの別れは、違う誰かと出会うために必要なものなのかもしれません。

 それでは、令和6年度当初の人事異動で、ご転出・ご退職された教職員及び新たに着任した教職員をお知らせします。

 (中略) 

 以上、転出・退職14名、転入・新採用10名。一年間よろしくお願いします。

始業式 

 改めまして、皆さん、おはようございます。いよいよ令和6年度の始まりです。例年になく遅い春の訪れで、秩父でもようやく桜が咲き始めました。荒川周辺の柳も緑の新芽を出しています。いかにも新しい年度の始まりという感じになりました。

 昨年もこの場で同じお願いしましたが、今日の午後、新入生241名の入学を許可します。新入生が少しでも早く学校生活に慣れるよう、先輩として懐の深さを見せてください。何気ない細かな心遣いや気遣いは、新入生にとって大きな励ましになります。そして、これから始まる農工での学校生活の送り方について、色々とアドバイスしてあげてください。よろしくお願いします。

 新たな年度を迎えるにあり、私が必要と考える心構えについて学年別にお話しします。

 まず新2年の皆さん、目標をはっきり定め、その目標に向かって「挑戦」してください。毎日の授業を真剣に受けるだけでなく、是非、各種検定試験にチャレンジしてください。資格取得は主体的に学ぶ姿勢や態度を育て、その人に対する社会的評価に繋がります。この1年の過ごし方で進路の方向付けがほぼ決まってしまいます。重要な1年になります。部活や生徒会活動でも中心的な活躍が期待され、多忙な1年になりますが、どれ一つ手を抜くことなく、全力で「挑戦」してください。

 新3年の皆さんは最上級生です。勉強や部活だけでなく、学校内外での挨拶、みだしなみ、自転車や公共交通機関での乗車マナーに至るまで、農工の最上級生としてのふるまいが求められます。そして、後ろ姿で新入生や2年生をリードしていってください。農工の伝統や校風を作り出す責任は最上級生にあります。卒業生からのバトンをしっかり受け継ぎ、これまで以上に全力で、何事にも「挑戦」する本校の伝統、校風を発展させてください。また、進路を決める上で、これから重要な時期を迎えます。そのことを強く意識し、何事にも全力で取り組んでください。

 最後に、ここにいる全ての皆さんに向けてです。私は42年前に高校を卒業しました。これまでの人生をふり返ると、必死になって学ぶことができたのは高校時代だった気がします。なりふり構わず一生懸命「勉強」した、「努力」した、その経験は大人になってから必ず活きます。それは万人共通です。「挑戦すること」、「創造すること」、「継続すること」を生活の中心に据え、勉強に、部活動に、全力投球してください。勉強も部活も最高の準備をして、最高の成果を目指してください。中でも、不得手なものへの「挑戦」、苦手なものを克服する「挑戦」、未知なるものへの「挑戦」。果敢にいきましょう。自分を変えるためには、「決意」や「想い」が大切です。この1年間をどんな年にするのか、何をやり抜くのか「決意」し、「想い」を強く持って様々な「挑戦」をしてください。

 この1年を振り返ったときに、他人との比較でなく、今の自分と比べての成長が実感できるようになることを期待しています。皆さん一人ひとりにとって、飛躍の年、成長の一年になることを心から願っています。

令和5年度修了式 校長講話

 おはようございます。今日は修了式です。

 皆さんにとって、令和5年度はどんな1年だったでしょうか?勉強や部活動、学校行事、あるいは普段の生活は充実していましたか?ただなんとなく過ごしてしまった、あるいは、何か悔いが残ったことなどはありませんか?良い機会なので、この春休みに1年間を振り返って、次年度に活かして欲しいと思います。昨日に続き出番をいただきましたので、今日も二つのことを話させてください。

 最近、私にとって大切な先輩を亡くしました。今も悲しくて、寂しい日々が続いています。この方は「気遣い」を大事にする方だったので、はじめに「気遣い」の話をします。

 「気遣いは大事だ」と言われます。様々な人が集まって仕事していく上で、お互いに「気遣い」がなければ気持ちよく仕事ができません。ただ、私は「気遣い」というのは「気遣われる側」の方がむしろ大事なのではないかと考えます。「気遣い」は“してあげる”ことの義務ではありませんが、“されて当たり前”というものでもありません。「気遣いされる側」が「気遣われて当然」というような態度であったなら、気を使う側も良い気はしないでしょう。また、そういう人ほど、そもそも「気遣い」に気付かなかったりします。そのような集団の中では、徐々に「気遣い」が「損なこと」のように思えてきてしまい、「気遣う心」がなくなってしまうのではないかと思うのです。だからこそ、大切なのは、誰かの「気遣い」に気付き、その「気遣い」に感謝の心を持つこと。そしてその感謝は、誰かへの「気遣い」という形で返していくことだと思います。自分が気分よく仕事ができているときこそ、陰で誰かの「気遣い」に支えられてということを、この先輩から学びました。「気遣い」の環を広げていくことが、皆で成長する上で大切なのではないかと思います。

 この先輩は、国語の先生で読書家でした。次は読書にまつわる話です。最近目にした書店業界についてのニュースからです。過去10年間で764社もの書店が市場から退出し、店舗数の減少が続いているという内容でした。確かに私自身も以前より本屋さんに行く回数が減りました。皆さんはどうですか?

 電子書籍の普及も理由の一つかと思いますが、勉強や情報収集なら YouTube のような無料で便利な動画ツールがいくつもあります。わざわざお金を出してまで本を読む意味ってあるの?と思う人たちは特にそう感じるのではないでしょうか。私の考える本を読むメリットとは、「想像力を働かせることができる」ことです。YouTube などの動画は、視覚的には楽しいものかもしれませんが、想像力や発想力が養えません。その点、読書は活字を読んで、頭の中で自分の体験やビジョンを呼び起こし、映像化します。TVや YouTube は始めから映像化されているので、「わかった気になる」というのが実際のところでしょう。映像を見ている時は納得するのですが、見終わった後には中身をあまり覚えていない。誰しもがそんな経験をしたことがあると思います。それは頭を使っていないからです。頭を使って考えた事は定着します。本で読んだことを外に向けて発信することにより定着は更に進みます。みなさんもこの春休みに、読書の時間を増やしてみてはいかがでしょうか?

 今日は色々話しましたが、何か心に残ることがあったら覚えておいて、あるいは実行して欲しいと思います。それでは、事故に遭わない、起こさないように気を付けながら、有意義な春休みを過ごしてください。終わります。

第2回定例生徒総会 校長挨拶

 おはようございます。

 今日3月21日は「はじめようの日」。春は始まりの季節です。「さぁ、始めよう」という気持ちを思い起こしてもらい、それを応援することを目的に、老舗百貨店「大丸松坂屋百貨店」が5年前に制定しました。春に何か新しく始める人を応援するため、チャレンジへのカウントダウン「3、2、1」に掛けているそうです。

 気になったので、「日本では新年度がなぜ4月から始まるのか?」ググってみました。会計年度の始まりが4月になったのは明治19(1886)年から(本校の創立は1900年)。米を年貢として納めさせていた江戸幕府から明治政府に代わり、現金で納税するスタイルを導入したために秋に収穫した米を現金化してから納税する、それを国が確認して予算を組む、という新たなプロセスが必要になりました。現金化する手間が増えた分時間がかかるため、4月になったという説が有力です。

 他にも諸説あるようですが、いずれにしても始まりの季節としては、桜が咲き草木が芽吹く春が日本人の心に馴染みやすいと私は感じています。満開の桜を見ると教員になった頃を思い出し気が引き締まります。初任の学校の近くに桜の名所があり、そこで場所取りをして花見をしたものでした。本校の先生方の中には、一緒に花見をした当時の仲間が幾人もいます。次年度も新たな気持ちで頑張りたいと思います。

 さて、皆さんが社会人になると様々な会や組織に属することになります。地域の自治会や職場での会(例えば社友会など)の会員になると思います。会は、年度初めに「総会」という会を開き、前年度の活動報告や会計報告を行ったり、今年度の活動計画や予算案を示したりします。そして、会員の承認を得て活動が進んでいきます。今年2回目の定例生徒総会を通して、会の進め方をしっかり学んでください。

 役員選挙の時にもお話ししたと思いますが、どうか生徒会活動を通して、「学校生活を充実させるため自分には何ができるのか」という志の種を見つけてください。また、活動を通して、AI(人工知能)に備わることのない、「主体性」「協働性」「創造性」を高めて欲しいと思います。

 むすびに、秩父農工科学高校生徒会の活動が、みなさんの輝かしい未来を創り出すことを期待して、私の挨拶とします。

第119回卒業証書授与式 式辞

 所かしこに春の息吹が感じられる今日この佳き日に、第119回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員及び在校生にとっても大きな喜びであります。本日晴れの日を迎えられた卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 保護者並びにご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。卒業の日を迎えられたお子様の立派な姿に、感慨もひとしおのことと存じます。また、この場をお借りして、これまで本校にお寄せいただきましたご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。

 卒業生の皆さんは今、どのような思いが胸に去来していますか。この3年間、コロナ禍や自然災害に加え、国際紛争、人権・食料・環境・エネルギー問題など、大きな社会変動を目の当たりにしてきました。こうした中で、現実をしっかりと受け止め、力強く歩もうとする皆さんの姿に幾度となく勇気づけられました。部活動や各種コンテストでの全国レベルの活躍はもとより、県内各地で、秩父管内で開催された各種イベントへの参加・協力、人命救助や市長さんへの施策提言など、歴史に残る活躍をしてくれた皆さんを、誇りに思います。おそらく、在学中の印象深い場面が一人一人の脳裏に甦ってくることでしょう。それらすべてが「経験」という名の財産であり、かけがえのないものとして、皆さんのこれからを支えてくれるはずです。

 こうして皆さんの前でお話しするのは今日が最後です。お伝えしたいことが二つあります。

 一つ目は、「人格形成の自覚」についてです。我々の人格は概ね20年で完成すると言われています。私事で恐縮ですが、学生時代の友人が集まると、良くも悪くも、昔のままの姿がそこにあります。つまり、人格は20歳前後で完成され、その後の経験で多少の知恵を身に付けたとしても、その本質は変わらないのです。人格とは人柄。他人に対する思いやりや物事を謙虚に受け止められる素養は自分の可能性を大きく拡げ、一方で、言い訳や他人の悪口を重ねるような言動は、社会の中で受け入れられる要素など微塵もありません。

 この3年間、多様な人間関係の中で皆さんが学んだできたことは、一人一人の人格形成に大きな影響を与えているはずです。まずはそのことを認識し、さらに卒業後の3年間が今後の人生を送る上での基盤を造る最も重要な時期になるということを自覚し、本校を巣立って欲しいと思います。

 二つ目は、「一人で悩まない」ということです。皆さんが今後、仕事や学業に携わる中で、壁に突き当たることや挫けそうになることがあるかもしれません。「職場や学校の雰囲気に馴染めない」、「人間関係がうまくいかない」、或いは、「仕事や勉強の内容が想像していたことと違う。自分に合っていない」など、こうした悩みは、多かれ少なかれ誰もが経験することです。

 大切なのは、自分一人で悩まないことです。自分で抱え込んでしまっては、我慢するか、その状況から逃れるといった結論にしか至りません。周囲に助けを求めることをためらわないでください。信頼できる上司や先輩、友人、家族、母校の先生方に相談して、たくさんアドバイスを受けてください。職場の問題であれば、必ず助けてくれる人がいるはずです。仕事の内容であれば、その経験が自分の将来に役立つことがわからないだけなのかもしれません。多くの意見を聞き、冷静に、客観的に自分を見つめることが必要です。

 その過程を経ての結論であれば、進路を変えることも選択肢の一つであって良いと思います。そのためにも、本校で得た友人を大切にしてください。学生時代の友人は遠慮なくアドバイスしてくれる一生の友です。人に頼ることができる人は頼りになる人になります。皆さんも、人の痛みがわかる、頼りにされる社会人になってください。

 卒業する242名の進路は多様です。どうか皆さんには、何事にも関心を持つ姿勢を忘れず、自らの可能性を拡げ、学び続け、必ずや自己実現を果たしてください。

 秩父農工科学高校は、これからも皆さんを見守り続けます。皆さんの健康と今後の活躍、そして輝かしい未来を心より祈念し、式辞とします。

令和5年度第4回壮行会 校長挨拶

 ただいま紹介のあった演劇部が今月下旬に栃木県で開催される関東高等学校演劇研究大会に出場します。おめでとうございます。

  演劇部は、高校演劇中央大会で高評価を得て、関東大会出場を決めました。夏の全国総合文化祭(2023かごしま総文)優良賞受賞に続く快挙です。

 次に男子ソフトボール部は、11月に行われた県予選を制し、昨年に続き全国高校男子ソフトボール選抜大会に出場します。こちらは3月下旬に山口県で本大会が開催されます。

 私見ですが、才能や環境は平等に与えられるものではありません。努力は時として報われないこともあります。絶対に評価される、勝てる、そんな魔法などはどこにも存在しません。でも、そんな結果の見えないことと向き合うことが、部活動の本質だと思います。周囲に何を言われようが、「自分たちだけは、自分たちの努力を信じ、前に進む」。そんな、勇敢な一歩(日々の挑戦)を、送り出す側の我々は、誰よりも応援する存在でありたいと思います。

  秩父農工科学高校の代表として、埼玉県の代表として、頑張ってください。

  これから、校歌斉唱があります。皆さんで大きな声で校歌を歌い、送り出しましょう。

令和5年度第3学期始業式 校長講話

 元旦に発生した石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」では、これまでに490人以上の死者、安否不明者が出ています。1週間以上経過した現在も、2万人8千以上の人たちが避難所生活を強いられています。被災された方々へのお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。地震大国の現実を知る年明けになりました。防火避難訓練の際にもお話ししましたが、 こうした教訓を他人事とせず、自らの学びに繋げてください。 

  さて、辰年の2024年はどのような年になるのでしょうか?

 新たな年の初めに、「今年こそ良い年にしたい」と願う人は多いと思います。私もその一人です。とりわけここ数年は、年末になると「今年も大変な、厳しい年だった」と振り返ることが多くなり、新年の願いは年を追うごとに強くなっている気がします。今年は、ただ「なんとなく」ではなく、せっかくならしっかり達成できる方法で「目標」を設定してみませんか?

 夢や目標を掲げるときには、それを「いつ」達成するのかを、明確にすることが肝です。それは夢や目標を実現させるための大事なセオリーです。「夢」と「目標」は同じでありません。その違いはどこにあるかわかりますか? それは達成の「期限」が明確かどうかです。言い換えるなら、「いつかこうなりたい」、「いつかこれをやりたい」という夢は、期限を決めた時点で「夢」ではなく「目標」になるのです。

 真面目な人ほど、がむしゃらに頑張ります。頑張ることは確かに素晴らしいのですが、頑張ること自体が目標になってしまいがちです。残念ながらそれでは成果は出せません。成果を出す人というのは、ただ漫然と頑張ったりはしません。努力する前に達成すべきゴールを明確に決めてから、その実現のための戦略を考えます。ターゲットがはっきりしていれば、戦略の精度も上がります。だから、成果が出るのです。

 「いつ」「何を」達成するかを明確にする目標設定は、皆さんの努力や頑張りを成果につなげるカギとなります。これこそまさに目標設定・目標達成のための「技術」なのです。大事なのは「一度決めた目標は簡単に下方修正しない」という覚悟を持つこと。とりあえず「来年の北部支部大会で優勝する」を目指してみて、途中で無理そうと思ったら「3番くらいに変えればいいや」などと考えるようでは、目標設定をする意味がありません。だからこそ、目標を設定する時点で、その目標が自分にとってどれくらい難しいものであるか理解する必要があるのです。難しいとわかっていれば、気を引き締めたり、よりハードな戦略を検討したりすることもできるし、もちろん、自分にとって妥当だと思われるレベルにあらかじめ引き下げることもできます。

  実際には、

 1 まずは過去のデータや実績にはとらわれず、「こうなったらいいなあ」という自分にとって

  「最高の目標」を書き出します。

 2 次に、これまでの経験からすると、「これは確実に達成できる」という「最低限の目標」を

  書き出します。

 3 難易度としての「中間の目標」を書き出します(これは「感覚としての難易度の中間」であり、

  最高の目標と最低限の目標の数字的な「中間」というものではない点に注意)。

 4 達成までの期限も考慮しながら、1~3の目標を比較して、今回の目標はどのあたりが適切な

  レベルかを考えます。

 「最高の目標」から「最低限の目標」までの幅は、一人ひとりの「心の幅」でもあります。人間は自分の心の幅を超えることはできないので、心に描いた「最高の目標」以上の結果は得られません。自分自身の可能性に蓋をしないためにも、常に高い目標を思い描いてイメージを拡げ、心の幅の上限を伸ばしておきましょう。

  この一年がここにいる全ての人たちにとって、昇り龍のごとく飛躍の年になることを祈念します

令和5年度第2学期終業式 校長講話

 皆さん、おはようございます。

 今年も残り9日になりました。夜祭後に秩父地域の学校ではでインフルエンザが拡がってしまいました。今年は季節外れの感染症(溶連菌やノロウイルスなど)も全国的に蔓延しています。コロナからの学びを活かし、感染症対策を万全に行い、年末年始は体調管理にくれぐれもご注意ください。

 さて、一昨日成績会議が開かれ、学年ごとに皆さんの学期末成績について報告されました。残念ながら欠点保持者が少なくありません。「努力してその成果が挙がった人」、「あまり努力をしなかったけどどうにか欠点を免れた人」、「努力したけどそれが報われなかった人」、「努力しないので当然の結果として欠点保持者になった人」。以上4つに分類したとき、自分はどのカテゴリーに入るのか振り返ってみてください。「努力したけど結果が伴わなかった人」は、私はさほど心配していません。追指導を受けて、必ずリベンジしてください。問題なのは「何の努力もせず欠点を取った人たち」です。学校は学ぶところ。学校生活は、ルールの中で日々の学習に前向きに取り組むことが前提です。これがおざなりになってしまったら学校としての体をなさなくなり、後々、無意味な高校生活(3年間)だったと後悔するようなことがあっては困ります。諦めてしまったらそこで試合終了。今ならまだ間に合います。学習相談会が今日の午後予定されています。「どこが至らなかったのか?自分は今何をすれば良いのか?」しっかり考えてください。更なる頑張りに期待します。

 少し時間をいただき、今日は人権の話しをさせてください。

 「人権ってどんなこと?」と聞かれたらどう答えますか。

 わかりやすく言うと、「みなさんが学校や家庭や地域で楽しく元気に生活する権利、つまり毎日を幸せに生きる権利」のことです。

 今から75年前、世界中の国々が集まった国際連合で話し合いが重ねられ、世界人権宣言が採択されました。採択された12月10日を日本では「世界人権デー」と呼び、12月4日から10日までの1週間を「人権週間」と定めています。3年生は一昨日の社会人講座で、1年生は火曜日の進路講話で「人権」に関わる話が講師の方からありましたよね?

 いじめや児童虐待、ハラスメント、ネット上の人権侵害、感染症や障害等を理由とする偏見や差別、ハンセン病の問題など、様々な人権問題が依然としてこの世に存在しています。これらの問題解決には、私たち一人ひとりが「誰か」の問題ではなく自分の問題として捉え、互いの人権を尊重し合うことの重要性を理解し、認識を深めることが不可欠です。私たちは、皆が幸せに生きる権利を持っているのです。

 自分や自国のことだけ考えているようでは人権問題の解消に向かいません。パレスチナのガザではイスラエル軍が侵攻を始めて以降、これまで2万人もの人命が奪われ、このうち8千人が子どもだそうです。この地球上に住む全員が安心して暮らせるよう、今、私たち生きているこの世界の現実を正しく理解するための努力が必要と感じます。

 最後に、明日から17日間の冬休みに入りますが、生活リズムを崩さず、事故に遭わないようにしましょう。また、新年にあたって、今年を振り返りながら、来年度の目標を考える機会にしてください。

 それではよいお年を!!

令和5年度生徒会役員選挙 立会演説会 校長挨拶

 ここで任期を終える会長の黒澤君をはじめとする生徒会役員の皆さん。全校生徒のリーダーとして、様々な行事や活動をこれまでけん引してくださり、本当にありがとうございました。新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるため、様々な制限をせざるを得ない状況下にあっても、柔軟な発想と行動力を発揮して、心に残る行事を実現してくれました。また、夏休みには本校の代表として、市長をはじめとする秩父市幹部職員の方々に生徒総会で提案のあった皆さんの要望を直に伝え、改善に向けて前向きに検討していただく約束を取り付けてくれました。

 この場をお借りして、あらためてお礼を申し上げます。

 さて、新役員を選出する今回の選挙に16名の有志が立候補し、投票を行うこととなりました。

 候補者の皆さん全員に質問します。

 ・あなたはなぜ役員に立候補したのですか?

 ・ あなたは、秩父農工科学高校をどんな学校にしたいのですか?

  また、それぞれの活動を、どのようにして全生徒が身近に感じるよう活性化させますか?

 ・あなたの目指す学校にするために、役員としてどのようなことに取り組みますか?

 有権者の皆さんは、これらの質問にしっかりと答えられる候補者を選んでください。なぜなら、それぞれの役員は、これまでの実績が示すように、これから本校のリーダーになる人たちだからです。

 リーダーには、「誰にも負けない農工を愛する気持ち」、「困難な課題にチャレンジするタフな精神力」、「人前で物事をわかりやすく伝える力」、「多くの人を動かす力」が必要です。演説を聴いて、皆さんのリーダーにふさわしい人物かどうかを見極める眼を養う機会にしてください。

 生徒会があなたのために何をしてくれるのか待つのでなく、あなたが学校のために何ができるのかを考えてください。

 先生、生徒、保護者、卒業生、そして地域の皆さんが、そのような考えを共有できれば、必ず農工はさらに素晴らしい学校になるはずです。

 生徒会活動が益々発展し、活性化することを願っています。 

優良青少年表彰(感謝状贈呈)

11月25日(土)

秩父市歴史文化伝承館で開催された

第43回秩父市青少年健全育成推進大会 に於いて

3年生 池田 日向 君、加藤 夏輝 君(フードデザイン科)、島田 歩夢 君(電機システム科) が

秩父警察署長・秩父市長連名 の感謝状を贈呈されました。

優良青少年 とは

「その行いが家庭・学校・地域の活動を通じて、他の模範として賞賛にふさわしいもの」

と表彰規定に定義されています。

2学期当初に、体調不良で身動きできなくなってしまった方を助けた事が評価されました。

登校途中、偶然近くに居合わせた3名が機転を利かせ 人命救助に貢献 しました。

本校の校訓である 協同和親 を体現しました。

皆さんの立ち振る舞いを、地域の方々が見守っています。

農工生として誇りと自信 を持ち、日々行動してください。

 

「秩農工祭」閉会式 校長挨拶

 皆さん、こんにちは。

 校門の上部に今年のテーマとして 我らが受け継ぐ伝統 秩農工祭 ここにあり と掲げてありました。

 各部、各学科の展示・発表を全て見させていただき、日頃の皆さんの活動状況やその成果がよくわかりました。そして、準備に多くの手間と時間をかけたことが偲ばれます。

 また、2日間合計で3千3百人以上のお客様に来ていただきました。コロナ禍の中断を経ても 秩農工祭 が地域の人たちに期待され、愛されるイベントであることを確信しました。

 演劇部の公演とかぶってしまいますが、戦争、食糧不足、貧困、人権侵害、環境破壊。世界に目を向ければ、思うようにならない厳しい現実が山ほどあります。それでも、今できることにどれだけ誠実に、真剣に、そしてポジティブに向きあえるか。そもそも文化活動とは深い精神活動をよりどころにするものです。共感し、想いを共有する中で他者に影響を与え、伝え拡がっていくものなのです。素直に驚き、感じ、感動する。その感性を奮い立たせ、思いの詰まった文化祭を皆で創り上げた2日間でした。

 テーマのとおり 農工の伝統 が紡げたと感じます。今後も、地域に期待され、愛される秩父農工科学高校、農工生であり続けて欲しいです。そして、それは皆さんの普段の行動にかかっています。地域の大人たちが、昨日も大勢来てくれましたが皆さんに憧れる子どもたちが、必ずどこかで見ています。農工生としてのプライドを常に持ち続け、行動するよう心掛けてください。

 この後自分や所属する団体の活動をしっかり振り返り、今回の学びを次に活かしてください。

 校長としては、今年の文化祭は大成功でした。生徒会、実行委員をはじめとして、ここにいる生徒・教職員全ての皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

 今週末も埼玉県産業教育フェアや豊島区への出張演奏、秩高とのコラボ写真展、公式試合など予定が詰まっている人も多いと思います。感染症への罹患を抑止するためにも、まずはしっかりと身体と心の休養を接り、気持ちを切り替えて次の準備を進めてください。

 終わります。

 

「秩農工祭」開会式 校長挨拶

 皆さん、おはようございます。 

 いよいよ、秩農工祭 が始まります。

 これまで、企画や準備をしてくれた実行委員の皆さん、そして生徒会の皆さんご苦労様でした。ポスターやリーフレットの作成に尽力してくれた人たちもいます。さらには、これまでご指導いただいた先生方や応援に駆けつけてくださる外部の方々にも、心から感謝いたします。ありがとうございます。

 各参加団体でも企画を考え、作業を分担しながら準備をし、色々な問題を克服しながら本日を迎えたものと推察します。

 本校の文化祭は、秩父地域の一大イベントです。4年ぶりの一般公開ということもあり、大勢のお客様が来校し、皆さんの日頃の活動成果を楽しみにしています。来校したお客様を、おもてなしの心をもって接遇してください。

 苦労や困難が大きければ大きいほど、達成した時の喜びや感動はそれだけ大きなものになります。こうした経験は、必ず皆さんを成長させます。志を同じくする仲間との を深め、完全燃焼 する。そして、この学校で学んでいる 仲間と過ごすこの瞬間が最高 と感じる 素晴らしい思い出 をたくさん作ってください。

 ただし、今年はもう一つ気にして欲しいことがあります。それは異変に気を配ること。悪意をもった者が紛れ込む可能性があります。数日前に、秩父市内の公的機関を狙った爆破予告があったばかりです。異変を感じたら、すぐ近くの先生方に知らせてください。健康面での異変についても同様に気を配ってください。

 最後に、今年度の秩農工祭のテーマは、我らが受け継ぐ伝統 秩農工祭 ここにあり です。

 ルールとマナーを守りつつ、皆さんの力で本校の伝統をしっかり継承し、新たな風を吹き込み、秩農工祭 を大いに盛り上げ、存分に楽しみましょう。

  終わります。

令和5年度第3回壮行会 校長挨拶

 皆さん、こんにちは。考査お疲れ様でした。

 ただ今、紹介のあった 柔道部 が、東京の講道館で開催される 関東高等学校選抜柔道大会 に出場します。

 講道館は「柔道家であり、教育者でもあった 嘉納 治五郎 先生 が興した柔道の総本山であり、世界中の柔道家があこがれる聖地」です。本大会出場には惜しくも届きませんでしたが、地区大会を勝ち上がり、県大会でも複数の部員が各階級で勝ち進むなど、柔道部は日頃の鍛錬の成果を挙げました。特に関東大会出場はその賜物だと思います。本当におめでとうございます。

 また、壮行会の対象ではありませんが、電機システム科3年課題研究EV班5名 が、茨木県にある モビリティリゾートもてぎ で、今週末の15日(日)に『 Ene-1 MOTEGI GP 』に参戦します。この後、銀杏並木下で試走すると聞いています。ぜひ、選手に激励の言葉をかけてあげてください。

 さらに、今月25日(水)に熊本県で開催されるF FJ全国大会農業鑑定競技会農業科・食品科学科・森林科学科の精鋭3名 が出場します。

 いずれも、専門分野の学習成果を試す貴重な機会です。選手の皆さんがこれまで努力してきたことは誰もが認めるところです。皆さんを支えている多くの人たちに感謝し、その恩に報いるため、また学校の名誉のために、心を強く持ち奮闘してもらいたいです。

 壮行会の度にお話ししていることですが、一番大事なのは、自分の力が本番で発揮されること。いずれも考査直後の大会となりますが、日程を考えて、体調やメンタルを調整するなど、しっかり準備を進めてください。

それでは、秩父農工科学高校の代表として、埼玉県の代表として、頑張ってきてください。

これから、校歌斉唱があります。皆さんで大きな声で校歌を歌って、選手を送り出してください。

令和5年度 第119回体育祭

開会式 学校長の言葉

 皆さん、おはようございます。最高の体育祭日和になりました。

 本日は多数のご来賓、保護者の方々においでいただいております。誠にありがとうございます。

 また、企画や事前の準備にあたった生徒会、体育祭実行委員会、グランド整備をしてくれた生徒の皆さん。ご苦労様でした。

 さて、今年の体育祭は第119回です。本校は創立124年目ですから、これまで5回実施できなかっただけで、明治時代から連綿と続く伝統行事です。皆さんには、その重みを感じてほしいと思います。

 種目も陸上競技主体で、他校と比べて硬派なものが多くいです。自分の持てる力を存分に発揮しつつ、クラスの団結力をしっかりアピールしてください。

 それでは、総合優勝目指して頑張りましょう!!

 

閉会式 学校長の言葉

 今日は楽しい一日でした。皆さんが力一杯競技する姿を見ることができ嬉しかったです。また、クラスTシャツはクオリティの高いデザインのものもあり、総じて素晴らしかったです。

 結果を見ると、団結力のあったクラスが上位を占めていたように思えます。

 これで体育祭は終わりますが、次は本校最大のイベント、“農工祭”です。“農工祭”でも其々の企画で団結し、感染症対策を万全に行って大いに盛り上げてください。

 今日は素晴らしい体育祭でした。関わったすべての皆様に感謝の気持ちをお伝えして、学校長の言葉とします。ありがとうございました。 

 最後に、下校の際には気持ちを切り替えて、事故などにあわないよう気をつけてください。以上です。

令和5年度第2学期始業式 校長講話

 行動制限のなかった今年の夏休み、皆さんはどう過ごしましたか?

 一人ひとりが違った夏休みを過ごしたことでしょう。新学期のスタートにあたり、まずは気持ちを切り替え、これからの未来を前向き捉え、進んでいきましょう。充実した2学期になるよう、今日は私が大切にしている言葉を紹介します。

 「夢なき者に成功なし」

 この言葉は、明治維新を主導した志士たちの思想に大きな影響を与えた、松下村塾の創設者、吉田 松陰 の言葉です。私なりに解釈すると、

「夢を持たない人は成功することなどありません。」と松陰は言っているように思えます。

 しかし、夢を持てば必ず成功するといわけではありません。この言葉は、ある文章の文末に出てきます。その前には、こんなことが書かれていました。

 「夢がない人には、こんな風になりたいという思いがない。」

 「こんな風になりたいという思いがない人には、計画がない。」

 「計画がない人は、行動しない。」

 「行動しない人は、成功しない。」

 つまり、行動しなければ「何も始まらない。成功もない。」ということなのです。

 そして、成功するためには、行動するための計画が必要であり、計画を立てるためにはなりたい自分をイメージすること、つまり目標を持つこと。その目標を達成させることが「成功」であり、「夢」の実現なのです。

 本校での「学び」は、各教科・学科の学習だけで行うものではありません。これまで身に付けてきた力を発揮する学校行事も、大切な「学び」の機会です。ですから、体育祭も文化祭も、成功を手にするための修行の場なのです。こんなご時世だからこそ、目標を持って前向きに行動しましょう。

「夢なき者に成功なし」

 この言葉をキャッチフレーズにして、日々の「学び」を積み重ねて自身を高め、直面する課題を一つひとつ乗り越えていきましょう。

 3年生はここからが本当の戦いです。気持ちを切り替え、この夏に経験した出来事やこれまでの「学び」を基盤にして、進路実現までの道のりを真っすぐ進んでください。1・2年生も、二度とない令和5年の夏に見つけたものを、次のステップアップのためにもさらに伸ばしていきましょう。

  次に、先ほど行った シェイクアウト訓練 について振り返ってみましょう。

 9月1日は「防災の日」です。今から100年前の今日発生した関東大震災では、10万5千人もの死者・行方不明者を出しました。近くでは12年前の東日本大震災。以降、火山噴火や地殻変動など、地球規模での自然災害が多発しています。異常気象に起因する大型台風やゲリラ豪雨、干ばつや森林火災・竜巻など、私たちの暮らしを豊かにしてくれるはずの自然が突如として牙をむく。これまでの経験が全く通じない事態が世界各地で頻発しています。そもそも訓練とは、予想もしない事態が起きた時のことを想定し、あらかじめシュミレーションしておく体験学習です。もしものこと、最悪のことをイメージして、想像力を働かせるところがポイントです。 

1 地震発生時に取るべき行動

 地震が起きた際には、慌てない、身の安全を確保する。この二つが最も大切です。緊急地震速報や揺れを感じたら、①ドロップ:何はともあれは姿勢を低くする、②カバー:頭を守る、③ホールドオン:動かない。地震の揺れはそう長く続きません。右往左往したり、SNSに憶測で不確かな情報を書き込んだりせず、まずは身の安全を確保し、揺れが収まったら周囲の安全を確認して冷静に次の行動、避難をしてください。この、「ドロップ、カバー、ホールドオン」の訓練は、「シェイクアウト」と呼ばれ、この後実際に体験してもらいます。 

2 火災発生時に取るべき行動て

 火災発生時には、「通報」「初期消火」「避難」の順に行動するのが基本です。しかし、状況によって優先順位が異なりますので、逃げ遅れないよう冷静な判断を心がけましょう。

 次に、安全に非難するための 7つのポイント です。①天井に火が燃え移ったら即避難、②高齢者、子ども、病人を優先する、③服装などにこだわらずできるだけ早く非難する、④ためらいは禁物、一気に走り抜ける、⑤煙の中を逃げる時にはできるだけ姿勢を低くする、⑥いったん逃げ出したら、再び中には戻らない、⑦逃げ遅れた人がいたら消防隊に知らせる。 

 もしもの時の備えとして、心の片隅に留めておいてください。 

 これまでに起こった災害の教訓から学び、感受性を高め、危機管理能力をさらに向上させてください。毎年のように大規模災害が発生する昨今、いつ身近なところで災害が発生してもおかしくありません。事前の備えを怠らないようにしましょう。

 講話は以上です。

令和5年度第1学期終業式 校長講話

 おはようございます。はじめに、先週からの豪雨で被災された秋田県の方々にお見舞いを申し上げます。いつ、なんどき、こうした災害に見舞われるかわからない時代です。感性を研ぎ澄ませ、常にアンテナを高くして、自分の命は自分で守る。危機管理を徹底させてください。

 今日は、校訓の話しをします。

 そもそも、校訓とは何か?ある辞書で調べてみました。「各学校が,伝統,地域性,生徒の実態などを考慮し,独自に設定した学校全体の教育・指導方針(学校生活の指針)を成文化したもの」とありました。つまり、生徒の皆さんの「望ましい姿や行動規範」を明確にしたものといえるでしょう。  

 本校の校訓を、皆さんは知っていますか。全部で5つあります。

 まず、「質実剛健」です。校歌の歌詞に入っていますし、職員玄関前の100周年記念碑に刻まれているので、知っている人も多いはずです。

 意味は、「中身が充実して飾り気がなく、心身ともに強くたくましいさま」。

 皆さんの内面は充実していますか。充実していないと感じている人は、この夏休み中に、学校内外での学びや様々な体験を通じて、充実させるよう努めましょう。これからの長い人生を歩んで行くにあたって、心と体を鍛えて、たくましく生き抜くための土台づくりをしっかりやって欲しいと思います。

 もう一つ紹介します。次は「規律節制」です。

 「規律」は、決まり事、ルール。「節制」は、欲望を理性の力によって秩序のあるものにすること(度を越さないよう控えめにすること)。簡単に言えば、我慢することです。

 つまり、「ルールを守り、必要な我慢は真摯に受け入れる」ということだと思います。

 皆さん、ルールを守っていますか。ルールには、法律、校則、社会生活を送る上でのマナーなど、色々あります。ルールを守ることは自分を守ることにつながります。法治国家に生きる皆さんは、「自分のやりたいことなら、何をやっても許される」というわけにいきません。

 夏休みになると、解放された気分になります。それでも「規律節制」を心掛け、生活が乱れないようにしてください。そして、「質実剛健」が実現できるような体験、学びを深め拡げるチャンスです。色々な経験を積んで、自分の価値を高め活かす術を身に付けましょう。

 最後に、交通事故防止についてです。埼玉県では、交通死亡事故対策の強化を図るため、県内において交通死亡事故が多発し一定の基準を超えたときに、県内全域を対象にした「交通死亡事故多発警報」を発令します。7月に入ってから7日間以内に5件以上の交通死亡事故が発生したため、7月7日から16日までの10日間この警報が発令されていました。昨日も、生徒指導主任の小池先生から同様のお話しがありましたが、交通ルールをしっかり守り、絶対事故にあわない、事故を起こさないようにしてください。万が一のことがあったとき辛い思いをするのは、自分だけではないことを肝に銘じてください。

 それでは9月1日に、一回り大きくなった、自信に満ち溢れた皆さんとお会いすることを楽しみにしています。

令和5年度第2回壮行会 校長挨拶

 ただ今紹介のあった演劇部が、7月30日から鹿児島県で行われる、「2023かごしま総文(令和5年度全国高等学校総合文化祭)」に参加します。

 今年2月に群馬県桐生市で開催された 関東高等学校演劇研究大会 で最優秀賞を獲得し、夏の全国大会(総文祭)に推薦され参加することになりました。おめでとうございます。

総文祭では、舞台セットの設置や撤去にも、制限時間があると伺いました。全国大会出場は、キャストだけでなく、大道具、照明、音響、脚本等、演劇部全体で勝ち取ったものです。

 先月、演劇部のOGが教育実習に来ていましたが、数多くの実績を残した先輩たちも、日々の研鑽を重ねて、表現者として、また舞台構成を担う裏方として、常に最高の舞台を追い求め、部として結束し、成長していったものと推察します。皆さんも、先輩方の想いを引き継ぎ、頑張ってください。

 

 次に女子弓道部です。8月19日から福岡県久留米市で行われる 第25回紫灘旗全国高校遠的弓道大会 に出場します。男子も県予選では4位と健闘しましたが、本戦出場にはあと一歩及びませんでした。

 弓道部は朝早くから練習を行ったり、秩父地域の大会運営を担ったり、日々熱心に活動しています。昨年に続いての全国大会出場は、部員一人ひとりが大きな目標に向かって努力してきた賜物だと思います。本当におめでとうございます。食品化学科3年の 加藤 聖菜 さんは、7月22日から上尾市で行われる 国民体育大会関東ブロック予選 にも代表選手3名のうちの一名として出場します。

 

 最後に男子ソフトボール部です。残念ながら 北海道総体2023 への出場は逃してしまいましたが、弓道部と同じ8月19日から鴻巣市で行われる 国民体育大会関東ブロック予選 に9名の精鋭(うち1名はマネージャー)が埼玉選抜の一員として出場します。チームキャプテンは、機械システム科3年、本校ソフトボール部主将の 宮内 悠河 君 です。

 

 関東大会の壮行会でも話しましたが、どの部に於いても一番大事なのは、自分の力が大事な場面で発揮できること。大会日程を考えて、体調やメンタルをしっかりと調整し、万全の準備をして本番に臨んでください。

 

 送り出す側の皆さんの中にも、夏休み中に様々な大会やコンテストに出場したり、進路活動や資格取得などで勝負所を迎えたりする人たちが大勢います。ぜひ、演劇部、弓道部、ソフトボール部に続いて、高みを目指しましょう!!

 

 壇上の皆さん。秩父農工科学高校の代表として、埼玉県の代表として、頑張って来てください。

 これから、校歌斉唱があります。皆で大きな声で校歌を歌って勇気付け、送り出しましょう。

薬物乱用防止教室 校長挨拶・講師紹介

 皆さん、こんにちは。

 先週土曜日に、男子バスケットボール部1年生有志に本校の代表としてご協力いただき、あめ薬師(御花畑駅前の慈眼寺)の縁日で他校の生徒とともに「薬物乱用防止キャンペーン」に参加しました。雨の中ありがとうございました。 

 今日は、大宮理容美容専門学校で教鞭をとる傍ら、川越市内の小中学校で学校薬剤師をお勤めになっている 森山 康代 先生にお越しいただき、薬物乱用の現状やその恐ろしさ、薬物乱用に陥るきっかけなどについて、お話しいただきます。薬物乱用と聞くと、どこか遠いところの話、自分とは関係のない話と思うかもしれません。先月、毎日のようにテレビで見かけていた俳優が大麻所持で逮捕され、先週保釈されたニュースは記憶に新しいところです。

  今年4月に警視庁が発表したデータによると、昨年1年間に大麻関係で警察に検挙された人が 5,342人 と過去最多を更新し、その中で高校生は150人だそうです。高校生だから関係ないというわけではないのです。警察庁は「大麻は特に10代と20代の間で有害性や危険性が少ないとする誤った認識が広がり、仲間に誘われて安易に手を出しているとみられ危機的な状況だ」として、取り締まりを強化する方針とのことです。 

 薬物乱用とは、薬物や薬品を本来の医療目的からはずれて使ったり、医療目的でない薬物を不正に使ったりすることです。覚醒剤や大麻、コカインといった違法な薬物は、それぞれ法律によって使用が厳しく規制されており、持っているだけでも犯罪になります。また、薬局などで買う医薬品や化学薬品であっても、本来の目的では無い使い方、遊び目的の使用や処方箋を超え大量に服薬するなどの行為は、目的の逸脱であり、これも薬物乱用になります。

  今日は貴重な機会なので、森山先生のお話しを自分ことととらえ、よく聞きましょう。

 それでは、森山先生よろしくお願いします。 

性教育講演会

 皆さん、おはようございます。はじめに、先日の豪雨による災害で亡くなられた方、被害にあわれた方々にお見舞いを申し上げます。

 次に嬉しい報告です。昨日まで神奈川県小田原市で行われていたソフトボールの関東大会で、男子ソフトボール部が準優勝しました。おめでとうございます。インターハイ、国体での全国制覇に向けて、さらに精進を重ねて欲しいと思います。他の部の皆さんも、この成果に続くことができるよう、しっかり準備をしてこの先の大会に臨んでください。

 さて、今日の性教育講演会は、「デートDVについて理解し、対等な人間関係、相手を尊重する心や態度を身に付ける」ことを目的に実施します。

 世の中にはさまざまな暴力が存在します。こころへの暴力、からだへの暴力、性的な暴力、経済的な暴力・・・。どんな理由があっても、暴力を受けていい人なんていないのです。被害者は女性や子ども、お年寄りばかりではありません。暴力を軽く考えるようなことなど決してあってはなりません。

 本日は、さいたま新都心にある「埼玉県男女共同参画推進センター  ~With You さいたま~ 」の相談員の方を講師にお招きしています。朝早くからありがとうございます。時間の関係もあり、プロフィールなどの紹介は割愛させていただきますが、限られた時間でありますので、どうか少しでも生徒の心にとどまるお話をしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 演題は「知っていますか?デートDV」です。拍手をもって講師の方お迎えください。

令和5年度第1回壮行会

 皆さん、こんにちは。今日から6月です。九州や東海地方では既に梅雨入りしたとの報道があります。関東地方は明日梅雨入りする見込みだそうです。しばらくの間、体調管理に気を遣う日々が続きますが、インターハイ予選や現場実習などで校外に出る機会が増えます。安全第一で行動してください。

 さて、只今紹介のあった 男子ソフトボール部 がこの週末に神奈川県小田原市で行われる関東大会に出場します。今年の関東大会予選は、あと一歩のところで本戦出場を逃した部が多かった中で、最後まで勝ち切り、出場権を獲得したことを大変嬉しく思います。 

 皆さんもご承知のように、男子ソフトボール部は埼玉の雄、関東大会の常連、この春には 全国選抜 にも出場しました。毎朝早くから練習をし、チーム全員が努力してきました。自ずと良い結果が出るものと確信しています。 

 チームのために、自分の持つ力を最大限発揮できるよう、本番までわずかな時間でありますが、日程を考えて、体調やメンタルをしっかり調整して欲しいと思います。 

 秩父農工科学高校の代表として、埼玉県の代表として、悔いの残らぬよう、仲間と自分を信じ、精一杯戦ってきてください。

 これから、校歌斉唱があります。ここにいる全ての皆さんで大きな声で校歌を歌い、選手を勇気づけましょう。

令和5年度球技大会 校長挨拶・講評

【開会式・挨拶】

 みなさん、おはようございます。

 天候に恵まれ、球技大会日和になりました。

 考査前から準備を進めてくれていた 生徒会 と 球技大会実行委員会 の皆さん。ありがとうございます。

 こうして大会が開催できるのは、当たり前のことではなく、実はとても有り難いことなのだということを、3年に渡ったコロナ禍から学びました。

 今日はプレーする選手だけでなく、観戦している人達も応援で盛り上げ、球技大会を目一杯楽しんでください。ただし、楽しさは自分で獲得するものであって、待っていて誰かが与えてくれるという手合いのものではありません。自ら身体を動かして、仲間を応援して、大いに楽しんでください。

 また、皆が心置きなく楽しむためには、一生懸命やる中でも、ルールやマナーを守る必要があります。無茶や無謀、スポーツマンシップに反するような行為は、厳に謹んでください。

 試験明けで運動不足気味の人もいると思います。体調管理に気を配り、適度に水分補給をして、怪我のないよう気をつけてください。

 それでは、皆さんの健闘を期待して開会の挨拶とします。頑張ってください。

 

【閉会式・講評】

 すばらしい球技大会でした。よく頑張りました。

 スポーツには、生きることの本質が集約されています。そしてそこには、アスリートやチームそれぞれのプロセス、つまりストーリーが必ずあるはずです。

 一流のアスリートは、目の前の成果に満足することなく、次の課題と解決策を自ら考え、努力を続け、競技力向上に向けて新たな挑戦をします。

 こうした経験は、これからの長い人生において、宝物になることでしょう。

 皆さんには、こうした取組が色々な場面で行えるようになって欲しいと思います。

  多くの運動部が、この夏北海道で行われるインターハイの県予選に、これから挑みます。県を勝ち抜いて、北の大地で羽ばたきましょう。

 同じ頃、演劇部は鹿児島で全国総合文化祭に参加します。全国に 秩父農工科学高校 の雄姿を見せつけましょう!!

 後片付けなどでお世話になる皆さん。最後までよろしくお願いします。

 以上です。お疲れ様でした。

離任式 校長挨拶

 4月も残り2日になりました。羊山公園の芝桜が見頃を迎え、日に日に山の木々が色鮮やかさを増しています。今週に入ってから、兼関東大会予選で地区を勝ち抜き県大会へ駒を進めた部、関東大会出場を惜しくも逃がしたものの県で上位入賞を果たした部、皆さんの頑張りが続々と報告されており、大変嬉しく思っています。

 はじめに、新型コロナウイルスへの対応についてお願いがあります。ご案内のように、新規陽性者数が下げ止まりの状況にある中で、国全体では、2週間前から微増傾向に転じています。昨日、感染症法上の位置付けが当初の予定通り5月8日から5類へ移行することが正式に決まりました。加藤厚労大臣は「法的な位置付けが変わってもウイルスはなくならない」と前置きした上で、重症化リスクの高い人への配慮を求めました。これまでの経験で、感染リスクの高い場面や行動などは皆さんも承知しているはず。大事な大会を控えている人たちがこの中に大勢います。どうか皆さん、「感染再拡大を防ぐのは私たち一人ひとりの責任ある行動だ」ということを再認識して、連休を迎えて欲しいと思います。

 さて、今日は離任式です。離任式は、私たちから3月までお世話になっていた先生方へ感謝の気持ちをお伝えするとともに、先生方からも、皆さんに対して離任の思いを伝えていただく最後の機会です。尾木ママこと教育評論家の尾木直樹さんは、「別れを丁寧にすることが新しい出会いや次の飛躍の準備につながる」とした上で、「お世話になった先生方に感謝の意を伝えることで、気持ちを切り替えて新しい年度に臨むことができる」と言っています。

 「一会一生(いちえいっしょう)」という言葉をご存じでしょうか?「一度会ってできたご縁は一生の宝になる」という意味ですが、それだけ、人との出会いはかけがいのないものであると私は考えます。 

 それでは、今まで本校のためにご尽力いただいた先生方とのお別れの会(離任式)を始めます。昨年度末に15名の先生方が転・退職され、本日は5名の先生方にお越しいただいております。順に紹介します。

 

 中略

 

 結びに、生徒の皆さんには「一会一生(いちえいっしょう)」の学びを、是非この場で体感して欲しいと思います。

 離任される先生方のご多幸、今後のご活躍を心より祈念申し上げます。

令和5年度入学式 式辞

 木々の緑が一斉に芽吹き、たくさんの花が咲き競うこの佳き日に、秩父農工科学高校に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。全ての教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎します。そして、皆さんを今日まで育て上げ、健やかな成長を支えてこられたご家族をはじめとする関係の皆様方に対しまして、心よりお祝いを申し上げます。

 入学式は新入生の皆さんを歓迎する式であるとともに、この学校で学ぶという思いを確認する機会でもあります。この記念すべき4月10日を、「今日この日から始まる高校生活を実りあるものにするぞ!!」という誓いの日にしてもらいたいと思います。

 さて、本校は、明治33(1900)年6月、 実業学校令により秩父郡立乙種農業学校 として設立され、以来、123年の歴史の中で幾多の変遷を辿り今日に至っております。“勤勉努力”“質実剛健”“規律節制”“至誠一貫”“協同和親”を校訓に、2万3千人を超える優秀な人材を輩出してきた、地域の歴史とともに歩み続ける、地域に信頼され深く愛される伝統校です。

 目指す学校像に「秩父地域の産業と未来を支えるスペシャリストの育成」を掲げ、地域の産業と文化の担い手を養成するというスクールミッションを達成するために、全校を挙げて日々の教育活動に邁進しています。

 ただ今入学を許可した新入生の皆さん。皆さんは9年間の義務教育を終え、自分の意思で本校への進学を決意し、合格されました。秩父農工科学高校は皆さんの入学を心から歓迎します。皆さんは、伝統ある本校で、そして、地元から深く愛されている本校で学ぶことに誇りを持ってください。今まさに、大きな希望と幾ばくかの不安を胸に、新たな学校生活を始める皆さんへ、あらためて高校とはどういうところかお話ししたいと思います。

 学校は、学びあうところです。勉強はもちろんですが、それ以外にも様々なことを、教職員から、また生徒同士で学ぶことができます。本校には、色々な種類の、そして数多くの、学びの仕掛けがあります。皆さんには、それらの仕掛けに気付く人になってもらいたい。 

 どうすればその仕掛けに気付く人になれるか。まずは、好奇心旺盛であること。そして、謙虚であること。世の中は学ぶべきもので溢れていることを知っている人、そして、自分には足りないものがあることを自覚している人は、学びのチャンスをつかむことができます。学びのチャンスをつかむことができる人は、必ず大きく成長します。

 次に、学校は、小さな失敗や挫折を経験する場でもあります。大人になってから初めて失敗をしたのでは立ち直り方がわからず、前へ進めなくなってしまうかもしれません。学校で経験する小さな失敗や挫折を大切にしてください。それらの経験は、きっと皆さんを強くたくましい人に成長させてくれるはずです。ただし、皆さんは、失敗したとき、ごめんなさいときちんと言える人であって欲しい。学校は、皆さんの失敗や挫折を見守り、支える存在なのです。

 そして、学校は、お互いを認めあうところです。認めあうとは、ぬるま湯のような関係であるということではありません。本校には、生徒・教職員合わせて900名近くの人たちがいます。それぞれ個性を持った人たちが、互いに切磋琢磨し、高め合う関係を築き上げていきます。まずは、皆さんが他者から尊重されるために、皆さん自身が他者を尊重することから始めてみてください。お互いを認めつつ、レベルの高い、みんなが居心地の良さを感じられる集団になりましょう。

 新入生のみなさん、この秩父農工科学高校で過ごす限られた時間を、大切にしてください。そして、みなさんの大切な時間を、私たち教職員も共有させていただくことに深く感謝をし、式辞とします。

 

    令和5年4月10日

     埼玉県立秩父農工科学高等学校 校長 服部 

 

令和5年度第1学期始業式 講話

 やわらかな陽射しが日一日と暖かさを加え、春の訪れを感じる季節となりました。新型コロナウイルス感染症への対応が大きく変わろうとしている中ではありますが、本日こうして令和5年第1学期始業式を対面で実施することができて、大変嬉しく思います。ここにいる494名は4月1日付で一つ学年が上がりました。おそらく新たな決意を持って登校した人もこの中にいるのではないかと推察します。

 始めに、皆さんにお願いがあります。今日の午後、新入生の入学を許可します。新入生が少しでも早く学校生活に慣れるよう、先輩として懐の深さを示してあげてください。何気ない細かな心遣いや気遣いは、新入生にとっては大きな励ましになると思います。そして、これから始まる農工での学校生活の送り方について、色々とアドバイスしてあげてください。私も含めてよろしくお願いします。

 新たな年度を迎えるにあり、今日は学年別に私が必要と考える心構えについてお話しします。

 2年生の皆さん、目標をはっきり定め、その目標に向かって「挑戦」してください。毎日の授業や実習を真剣に受けることはもとより、是非、各種検定試験にチャレンジしてください。資格取得は主体的に学ぶ姿勢や態度を育て、各自に対する評価に直結します。2学年の過ごし方でほぼ進路の方向付けが決まっていきます。大変重要な1年になります。部活動や課外活動でも中心的な活躍が期待され、多忙な一年になると思います。どれ一つとして手を抜くことなく、全力で「挑戦」してください。

 3年生の皆さんは最上級生になります。学習や部活動だけでなく、学校内外での挨拶、みだしなみ、自転車や公共交通機関での乗車マナーに至るまで、最上級生としてのふるまいが求められます。そして、新入生や2年生をリードしていってください。農工の伝統や校風を作り出す責任は最上級生である3年生にあります。卒業生からバトンを引き継いだ以上、今までより全力で、何事にも「挑戦」する姿勢を持ち、本校の伝統、校風をさらに発展させてください。また、3年生の皆さんは進路決定を行う上で重要な時期をこれから迎えます。そのことを強く意識し、臆することなく、何事にも全力で取り組んでください。

 長い人生の中で、必死になって学ぶことができるのが高校時代だと思います。なりふり構わず一生懸命勉強した、努力した、その経験は大人になったときに必ず活きます。それは生徒の皆さん全てに共通です。「挑戦すること」、「創造すること」、「継続すること」を生活の中心に据え、勉強に、部活動に全力投球してください。勉強でも部活でも最高の準備、最高の成果を目指してください。中でも、不得手なものへの「挑戦」、苦手なものを克服する「挑戦」、未知なるものへの「挑戦」、果敢に取り組んでください。

 自分を変えるためには、「決意」や「想い」が必要です。この1年間をどんな年にするのか、何をやり抜くのか「決意」し、「想い」を強く持ち、色々なことに「挑戦」してください。皆さん一人ひとりにとって、飛躍の年、成長の一年になることを願い、第1学期始業式の講話とします。

3学期始業式と壮行会

《始業式》概略
 冬休みは大きな事故もなく、新年が迎えられました。新しい時が「よい年」であることを祈ります。
 今年の正月は天気もよく、箱根駅伝も応援する方々であふれていました。恒例となっていたマグロの初セリも212㎏のマグロが高値で買い取られました。釣り上げた方は、40歳まで工務店の経営者だったそうですが、どうしてもマグロ漁師になりたくて転職したそうです。
 「夢」っていいですね。今、フランスをはじめ欧州の国々において、多くの日本人が修行をしているそうです。将来の夢に向かって賃金は安いですが頑張っていると聞きます。5年位前ですが、ミシュランガイドで3つ星に選ばれた日本人のことが話題になりました。そんな人が次々出てくれるといいですね。
 皆さんは若い。「大きな夢」を持ってください。
 さて、3年生は2月になると家庭研修になりますから、学校生活もあとわずかです。卒業に向けて、一日一日を有意義に過ごしてください。

《壮行会》
 3年生が引退しましたが、次の代に順調に実力が継承されています。
 男子ソフトボール部が昨年に引き続き、令和5年3月24日から長崎県で開催される全国高等学校選抜大会に出場します。昨年度全国3位の好成績でしたから、さらに上を目指して頑張ってください。(写真:部員全員登壇)

 演劇部も連続です。令和5年1月21日から群馬県桐生市で開催される関東高等学校演劇研究大会に出場します。壮行会では自作の「舞台装置」を披露してくれました。(写真:部代表4名登壇)

 校長、生徒会長から激励を行い、全校生徒からは校歌で送り出しました。健闘を祈ります。