【校長室だより】

【校長投稿】学校行事

令和6年度第3回壮行会 校長挨拶

ただ今紹介のあった男子ソフトボール部員8名が

10月12日から開催される SAGA2024国民スポーツ大会 ソフトボール 少年男子 に出場します。

これまでの国民体育大会(国体)が国民スポーツ大会(国スポ)に今年から変わります。

皆さんご存知の通り、本校の男子ソフトボール部は全国に名の知れた強豪校です。

しかしながら、インターハイ予選では昨年に続き熊谷工業に苦汁を飲まされるなど、悔しい思いをしました。

悔しさをばねにして、今度は熊谷工業の選手たちと一致団結して、関東ブロック予選を一位で勝ち抜け本戦出場を果たしました。

夏休み中も、気を抜くことなく努力してきた成果だと思います。

おめでとうございます。

いつも言うことですが、一番大事なことは、自分の力が十分に出せることだと思います。

大会日程を考えて、体調やメンタルを調整してほしいと思います。

それでは、秩父農工科学高校の代表として、そして埼玉県の代表として、頑張ってください。

これから、校歌斉唱があります。大きな声で校歌を歌い、選手を送り出してください。

令和6年度第2学期始業式 校長講話

 おはようございます。

 今年も暑い日が続きましたが、ここにいる皆さんは、充実した夏休みを過ごしたことと思います。夏が過ぎると次の季節は秋。「秋」という字は「禾偏に火」の組み合わせです。禾は穀物を表し、火は乾かすという意味です。早いところでは「はざかけ」をしている田んぼも見かけます。米や麦だけでなく、リンゴやナシ、ブドウなどの果物、クリやサツマイモなど多くの農作物が収穫される季節であり、「実りの秋」と呼ばれます。

 2月4日の立春から数えて二百十日(今年は9月1日でした)頃が台風の多い日、風の強い日と古くから言い伝えられてきました。農作物の収穫に大きな影響を及ぼす台風が日本列島に数多くやってくる時期であり、台風の襲来を恐れ、少しでも被害が少なくなるよう備える季節です。予報の精度が向上している現代に於いても、被害を食い止めることができません。台風10号によって亡くなられた方、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 台風の余韻が残る中で、今日は皆がよく集まりました。そもそも始業式の目的は二つあります。一つは、長期休業を終えての再会の日に元気な姿を互いに確認して喜び合うこと。二つ目は、新たな学期の始まりにあたって重点的に取り組むことや大切にしたいことを皆で確認・共有すること。まずは、元気な皆さんと再会できたことを素直に喜びたいです。この夏、皆さんにはどんな出会いや発見があったでしょうか?自らの成長を実感する機会がありましたか?次のチャレンジに向かう意欲が高まる夏になりましたか?

 今学期心がけてほしいこと、目標にしてほしいことを2つ伝えます。

 一つ目は、「計画性をもって地道な努力を積み重ねてほしい」ということです。3年生は社会の扉を開く時(就職や進学のための試験)が間近に迫っています。どの扉を選ぶかは人それぞれですが、共通するのは、自分で選び、自力で近づき、自分の手で開く、ということです。自動ドアなどありません。また、開いた後の世界は様々、まさに未知の世界ですが、近づくための努力は仲間たちと励まし合いながら一緒にできる、これが学校の素晴らしいところです。扉に届くまでの時間をしっかりスケジューリングし、自分に嘘をつかない、最後まで諦めない、地道な努力を積み重ねてください。こうした努力の積み重ねは、貴重な経験として必ずやこれからの人生に活きていきます。夢を志に高めて、苦難を乗り越えてください。1・2年生は、先輩の姿をしっかりと目に焼き付け、「自分の扉探し」と「夢や目標を実現するための参考」にしていきましょう。

 二つ目は、「一皮むける」ということです。この夏に部活の合宿や大きな大会などを通じて経験した人もいると思いますが、なかなか自分では気づきません。自分を成長させるための脱皮には、新しい人との交流や初めての経験が役に立ちます。偶然でもかまいません。できれば意図的に、自身の変革を促すことを意図した脱皮を心がけてください。一皮ずつむいていけば、いずれは変革を遂げた自分に出会えるでしょう。2学期にむく初めの一皮を何にするか?体育祭、秩農工祭、マラソン大会、インターンシップ、色々な行事があります。率先しての挨拶による居心地の良い環境づくり、授業・実習・部活動に臨む姿勢の変革など、より良い集団を創り自身を高めるため皮を剥く。思い立ったら即実行です。

 1年の中で最も忙しい、でも充実感のある2学期が今日からスタートします。ぼんやり過ごしていてはもったいない学期の到来です。何事にも意志を持って真正面から向き合い、仲間とともに思い出の種をたくさん蒔きましょう。

 以上、ひさしぶりの再会を喜ぶとともに、2学期への期待をお伝えし、始業式の式辞とします。

令和6年度第1学期終業式 校長講話

 おはようございます。

 はじめに、先日の豪雨で被災された愛媛県の方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。いつ、何時、こうした災害に見舞われるかわからない時代です。今日明日中に関東地方でも梅雨明けが宣言されそうです。感性を磨き、常にアンテナを高くして、自分の命は自分で守る、熱中症対策を含め、危機管理を徹底させてください。

 さて、今日は庭園デザイナーで僧侶の 枡野 俊明(ますの しゅんみょう)さんのコラムから二つの禅語(禅宗の文献に書き記された言葉)を紹介します。枡野さんは、禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得ています。曹洞宗のお寺のご住職であり、多摩美術大学環境デザイン学科の教授でもあります。2006年には、雑誌の『ニューズウィーク』日本版で、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されています。本校の図書館には枡野さんの本があるので、関心を持つ人がいたら読んでみてください。

  「人からよく見られたい、良い人だと思われたい。」という気持ちは誰もが持つ感情だと思います。そして、好意を寄せている人から好かれたいという私的な感情を持つことも、時としてあるでしょう。

 先週、野球部の応援に行って、選手たちの戦う姿を見て清々しく感じました。彼らは損得ではなく、チームの勝利のためだけに、臆することなくひたむきにプレーしたからこそ、私は心を惹きつけられたのだと感じました。つまり、「人からよく見られたい、好かれたい。」などという邪心を一切持たず、無心に戦う姿は魅力的であり、人を惹きつけるのだと思いました。

 一つ目の禅語は、「歩歩是道場」(ほほこれどうじょう)です。

 「いつでも、どこにいても、そこが道場であり、何をしていても修行になるのだ」という意味です。その心構えで、「一瞬一瞬を一所懸命に努めなさい」という意味です。一途に、一所懸命取り組んでいる人の姿を見て、好感を持つ人は多いと思います。

  よく見られたいという思いが強くなり過ぎて、ちょっと欲張って自分を“盛る”ことは、「自我」の現れと言えます。自分自身の存在や考え方に執着する心を「自我」といいます。リアルの人づきあいの中で自分を“盛る”のは、かえって自分を苦しめることになってしまうと思うのです。なぜなら「ありのままの自分」がいつまでたっても殻を破ることができないからです。人は、自身の未熟さを自覚し、それを改めようと努力することで成長します。自分を飾らず、ダメな部分も全てさらけ出し、ありのままの自分で人と接したいものです。

 二つ目の禅語は、「明歴々露堂々」(めいれきれきろどうどう)です。

 真理は探すものでも求めるものでもありません。すべてが、明らかに堂々とあらわれていることに気づきなさい、という意味です。多少自分を盛って人と接していても、あなたをよくわかっている人は、あなたのほんとうの姿をお見通しなのです。これから深くつきあっていきたいと思う相手なら、なおさら自分をさらけ出してください。自分を盛って人と接していると、いつまでも素の自分が出せず、よそよそしい関係になってしまうでしょう。ありのままの自分をさらけ出している人は親しみやすく、好感がもてると思います。自分が自分らしく生きることが「明歴々露堂々」です。また、それが生きる自信にもつながるのです。

 9月2日の始業式では、部活動やコンテスト、資格取得、進路活動等、様々なチャレンジを通して一回り成長し、自信に満ち溢れた皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

令和6年度第2回壮行会 校長挨拶

  ただ今紹介のあった弓道部が全国大会に、男子ソフトボール部が国民スポーツ大会関東ブロック予選に、少し先になりますが山岳部が関東大会に出場します。

 おめでとうございます。

 弓道部は、一昨年・昨年の女子に続き今年は男子の出場で、3年連続です。国民スポーツ大会の選手選考会では、男女とも最後の最後で代表に届かず悔しい思いをしました。今回は2年生が中心メンバーで、県立浦和高校に次ぐ2位で予選を突破しました。 

 男子ソフトボール部は、インターハイ出場を惜しくも逃してしまいましたが、本校から国民スポーツ大会候補選手が8名選出されており、8月に山梨県で行われる関東ブロック予選に挑みます。 

 山岳部は、久しぶりの関東大会出場です。日頃の訓練、また、あちこちの山行で、技術、チームワークを磨いてきた賜物です。大会までまだ時間があるので、経験値をさらに上げ、箱根の山で農工山岳部の存在をアピールしてきてほしいと思います。 

 壮行会のたびに話していることですが、一番大事なのは自分の力が存分に発揮されること。大会日程を考えて、体調やメンタルをしっかり調整してください。秩父農工科学高校の代表として、そして埼玉県の代表として、頑張ってきてください。 

 校歌練習の成果を発揮して、大きな歌声で選手を激励し、皆で送り出しましょう。

令和6年度球技大会 校長挨拶・講評

開会式 挨拶

  みなさん、おはようございます。

  天候にも恵まれ、最高の球技大会日和になりました。考査前から準備を進めてくれていた生徒会と球技大会実行委員会の皆さん、ありがとうございます。

 今日はプレーする選手だけでなく、観戦する人達も応援で盛り上げ、球技大会を目一杯楽しんでください。ただし、楽しさは自分で獲得するものであって、誰かが与えてくれるというものではありません。自ら身体を動かして、仲間を目一杯応援して、皆で楽しんでください。

 また、皆で楽しむためには、無茶や無謀、スポーツマンシップに反するような行為、厳禁です。一生懸命やる中でも、ルールやマナーを守ってください。

 試験明けで、運動不足気味の人もいると思います。今日は30℃超えとの予報が出ています。体調管理に気を配り、適度に水分補給をし、怪我などないよう気をつけてください。

 それでは、皆さんの健闘を期待して開会の挨拶とします。頑張ってください。

閉会式 講評

 実行委員長が開会式で言っていた「本気で楽しむ」、皆さんできましたか?素晴らしい球技大会でした。

 スポーツ には、生きることの本質が集約 されています。そこには、アスリートやチームそれぞれの プロセス、つまり ストーリー が必ずあります。

 一流のアスリートは、目の前の成果に満足することなく、次の課題と改善策を自分で考え、努力を続け、更なる高みに向けて新たな挑戦 をします。こうした経験は、これからの長い人生に於いて皆さんの財産になるはずです。皆さんには、こうした取組が色々な場面で実行できるようになって欲しいです。

 多くの部が、インターハイ(北部九州総体2024) の予選にこれから挑みます。県を勝ち抜き、さらに大きく羽ばたきましょう。

 後片付けなどでこの後もお世話になる人たちがいます。最後までよろしくお願いします。お疲れ様でした

令和6年度第1回壮行会 校長挨拶

 おはようございます。

 最近のスポーツ界は、大谷選手の話題でもちきりですが、同じメジャーリーグで戦っているダルビッシュ有投手が、日米通算200勝という快挙を先日達成しました。

 日本で93勝、米国で107勝ということで、メジャーに渡ってからの勝利数が上回っていることも凄い のですが、何より37歳の身体で、未だにメジャーの第一線でフル稼働しているところなどは、彼の努力の賜物だと思います。

 さて、只今紹介のあった 陸上競技部の 坂本 銀冴 君が、6月14日~17日にかけて 東京の駒沢オリンピック公園 で行われる 関東高等学校陸上競技大会 に出場します。

 陸上競技部員がたゆまぬ努力を続けているのを、私を含めた多くの人たちが知っています。これからも全ての部員が自ずと良い結果を出すものと確信しています。坂本君には、全力を出し切って自己ベストを出すことを期待します。

 今まで積み上げてきたことを自信にして、大きな舞台で思う存分力を発揮してください。ここにいる全校生、教職員、また、保護者、地域、同窓生の方々皆が応援しています。

 秩父農工科学高校の代表として、埼玉県代表として、悔いの残らぬよう、仲間と自分を信じて、精一杯戦ってきてください。

 これから、校歌斉唱があります。ここにいる全ての皆さんで大きな声で校歌を歌い、選手を勇気づけましょう。

令和6年度離任式 転出・退職された先生方のご紹介

 日に日に山の木々が鮮やかさを増しています。今週に入ってから、関東大会予選で地区大会を勝ち抜いて県大会に駒を進めた部、関東出場を惜しくも逃がしたもののこれまでで最高の成績を収めた部、皆さんの頑張りが続々と報告され、大変嬉しく思っています。

 さて、今日は離任式です。離任式は、私たちから3月までお世話になっていた先生方に感謝の気持ちをお伝えするとともに、先生方からも、皆さんに対して離任の思いを伝えていただく最後の機会です。昨年もこの場で話しましたが、「一会一生(いちえいっしょう)」という言葉を覚えていますか?「一度会ってできたご縁は一生の宝になる」という意味です。それだけ、人との出会いはかけがいのないものであると私は考えます。

 それでは、今まで本校のためにご尽力いただいた先生方とのお別れの会(離任式)を始めます。昨年度末に14名が栄転、転出、退職され、今日は3名の先生方から直接ご挨拶いただくとともに、2名の先生からメッセージをお預かりしております。

  中略

 結びに、生徒の皆さんには「一会一生(いちえいっしょう)」の学びを、是非この場で体感して欲しいと思います。離任される先生方のご多幸、今後のご活躍を心より祈念申し上げます。

令和6年度第1回定例生徒総会 校長挨拶

 皆さんこんにちは。急に暑くなりました。今週前半は雨続きでしたが、毎年4月20日頃は二十四節季のひとつ、穀雨にあたります。今年は先週金曜の19日でした。穀雨が過ぎれば降雨量も少しずつ増えるので、平野部では田植えの時期の目安になっています。私の住む川越では、田んぼに水が張られているところが目につくようになりました。春らしい陽気になると、ついつい外出したくなりますよね?

 私事で恐縮ですが、この学校に着任してから札所巡りにはまってしまい、いくつか寺社仏閣を訪ねました。「せっかく秩父で仕事をするのだから」という理由で何となく始めたことですが、変わったハンコを押してもらえる御朱印や、達筆すぎてなんて書いてあるのか一見してわからない御朱印を集めるようになり、一つ一つが個性豊かで面白いです。

 御朱印集めを始めて、少しずつ仏教に興味を持つようになりました。その道のプロがいるこの学校で、このような話をすのはおこがましいのですが、穀雨は「種まきなどの農作業に適した時期」と言われています。「自分にとって成長につながる、学び初め(自身の種まき)にも良い時期なのではないか?」と考えるようになりました。穀雨をきっかけに、少しずつでも、自分の興味のあることを学び始めて欲しいです。私のように仏教や御朱印についてでも結構ですし、人によっては語学を学ぶというのでも良いでしょう。秩父市在住の人たちには、この夏休み中の「短期留学」のお誘いも来ています。

 大型連休中に、「本や漫画をじっくり読む」とか、「気になっていた映画をまとめて観る」とか、「押しのアーティストの新曲を聴いてみる」とか、趣味に近いことでも良いので、ゆとりのある人は、何か新しいことを始めてみてください。部活に勝負をかけている人たちは、今しかできないことに全力投球してください。また、応援に行きます。 

 さて、今日の総会で挨拶をと、生徒会長から直接依頼を受けました。この後の離任式でも出番があるので、手短にいきます。

 

 一点目、図書館ギャラリーと図書委員会のコラボ企画「部活動写真展」について

 二点目、交通事故防止5つの行動について

 三点目、秩父市長との意見交換会について

 

  三点目は秩父市長主催のイベントですが、我こそはと思う人はぜひ協力してください。

  以上です。皆の時間です。実りある総会になるよう、建設的な発言に期待します。

令和6年度入学式 式辞

 木々の緑が一斉に芽吹き、たくさんの花が咲き競うこの佳き日に、秩父農工科学高校に入学された新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。全ての教職員とともに、皆さんの入学を心から歓迎します。そして、皆さんを今日まで育て上げ、健やかな成長を支えてこられたご家族、関係の皆様に対しまして、心よりお祝いを申し上げます。

 入学式は、新入生の皆さんを歓迎する式であるとともに、この学校で学ぶという思いを確認する機会でもあります。この記念すべき4月8日を、「今日この日から始まる高校生活を実りあるものにするぞ」という誓いの日にしていただきたいと思います。

 さて、本校は、明治33(1900)年6月、 実業学校令により秩父郡立乙種農業学校 として設立され、以来124年の歴史の中、幾多の変遷を辿り今日に至っております。“勤勉努力”“質実剛健”“規律節制”“至誠一貫”“協同和親”を校訓に掲げ、2万7千5百人を超える優秀な人材を輩出してきた、地域の歴史とともに歩み続け、地域に信頼され、愛される学校です。

 目指す学校像に「秩父地域の産業と未来を支えるスペシャリストを育成する学校」を掲げ、地域の産業と文化の担い手を養成するというスクール・ミッションを達成するために、全校を挙げ日々の教育活動に邁進しています。

 ただ今入学を許可した新入生の皆さん。皆さんは9年間の義務教育を終え、自分の意思で本校への進学を決意し、合格されました。秩父農工科学高校は皆さんの入学を心から歓迎します。皆さんは、伝統ある本校で、そして、地元から深く愛されている本校で学ぶことに対して、誇りを持ってください。今まさに、大きな希望と幾ばくかの不安を胸に、新たな学校生活を始める皆さんへ、あらためて、高校とはどういうところなのかお話しします。

 学校は、学びあうところ。勉強はもちろんですが、それ以外にも様々なことを、教職員から、また生徒同士で学ぶことができます。本校には、色々な種類の、そして数多くの、学びの仕掛けがあります。皆さんには、それらの仕掛けに気付く人になってもらいたい。では、どうすればその仕掛けに気付く人になれるか。まずは、好奇心旺盛であること。そして、謙虚であることです。世の中は学ぶべきもので溢れていることを知っている人、そして、自分には足りないものがあることを自覚している人は、学びのチャンスを掴むことができます。学びのチャンスを掴むことができる人は、必ず成長します。

 次に、学校は、小さな失敗や挫折を経験する場でもあります。大人になって初めて失敗をしたのでは立ち直り方がわからず、前へ進めなくなってしまうかもしれません。学校で経験する小さな失敗や挫折を大切にしてください。それらの経験はきっと皆さんを強くたくましい人へと成長させてくれるはずです。但し、皆さんは、失敗したとき、ごめんなさいときちんと言える人であって欲しい。学校は、皆さんの失敗や挫折を見守り、支える存在なのです。

 そして、学校は、お互いを認めあうところです。認めあうとは、ぬるま湯のような関係であるということではありません。本校には、生徒・教職員を合わせると850名近くの人たちがいます。それぞれ個性を持つ人たちが、互いに切磋琢磨し、高め合う関係を築き上げています。まずは、皆さんが他人から尊重されるために、皆さん自身が他人を尊重することから始めてください。お互いを認めつつ、レベルの高い、みんなが居心地の良さを感じられる集団になりましょう。

 新入生の皆さん、この秩父農工科学高校で過ごす限られた時間を、大切にしてください。そして、皆さんの大切な時間を私たち教職員も共有させていただくことに感謝をし、式辞とします。

 

 令和6年4月8日

   埼玉県立秩父農工科学高等学校長 服部 修

令和6年度新着任式・第1学期始業式 校長講話

新着任式 

 皆さん、おはようございます。先日学年末の修了式が終わったと思ったら、もう4月になりました。

 時間が過ぎるのはあっという間です。桜が咲き始めると、いよいよ春が来たという感じがします。春は別れと出会いの季節です。これから自分がどんな出会いをするのか、考えたらわくわくしませんか?どの別れや出会いにも、必ず意味があるはず。誰かとの別れは、違う誰かと出会うために必要なものなのかもしれません。

 それでは、令和6年度当初の人事異動で、ご転出・ご退職された教職員及び新たに着任した教職員をお知らせします。

 (中略) 

 以上、転出・退職14名、転入・新採用10名。一年間よろしくお願いします。

始業式 

 改めまして、皆さん、おはようございます。いよいよ令和6年度の始まりです。例年になく遅い春の訪れで、秩父でもようやく桜が咲き始めました。荒川周辺の柳も緑の新芽を出しています。いかにも新しい年度の始まりという感じになりました。

 昨年もこの場で同じお願いしましたが、今日の午後、新入生241名の入学を許可します。新入生が少しでも早く学校生活に慣れるよう、先輩として懐の深さを見せてください。何気ない細かな心遣いや気遣いは、新入生にとって大きな励ましになります。そして、これから始まる農工での学校生活の送り方について、色々とアドバイスしてあげてください。よろしくお願いします。

 新たな年度を迎えるにあり、私が必要と考える心構えについて学年別にお話しします。

 まず新2年の皆さん、目標をはっきり定め、その目標に向かって「挑戦」してください。毎日の授業を真剣に受けるだけでなく、是非、各種検定試験にチャレンジしてください。資格取得は主体的に学ぶ姿勢や態度を育て、その人に対する社会的評価に繋がります。この1年の過ごし方で進路の方向付けがほぼ決まってしまいます。重要な1年になります。部活や生徒会活動でも中心的な活躍が期待され、多忙な1年になりますが、どれ一つ手を抜くことなく、全力で「挑戦」してください。

 新3年の皆さんは最上級生です。勉強や部活だけでなく、学校内外での挨拶、みだしなみ、自転車や公共交通機関での乗車マナーに至るまで、農工の最上級生としてのふるまいが求められます。そして、後ろ姿で新入生や2年生をリードしていってください。農工の伝統や校風を作り出す責任は最上級生にあります。卒業生からのバトンをしっかり受け継ぎ、これまで以上に全力で、何事にも「挑戦」する本校の伝統、校風を発展させてください。また、進路を決める上で、これから重要な時期を迎えます。そのことを強く意識し、何事にも全力で取り組んでください。

 最後に、ここにいる全ての皆さんに向けてです。私は42年前に高校を卒業しました。これまでの人生をふり返ると、必死になって学ぶことができたのは高校時代だった気がします。なりふり構わず一生懸命「勉強」した、「努力」した、その経験は大人になってから必ず活きます。それは万人共通です。「挑戦すること」、「創造すること」、「継続すること」を生活の中心に据え、勉強に、部活動に、全力投球してください。勉強も部活も最高の準備をして、最高の成果を目指してください。中でも、不得手なものへの「挑戦」、苦手なものを克服する「挑戦」、未知なるものへの「挑戦」。果敢にいきましょう。自分を変えるためには、「決意」や「想い」が大切です。この1年間をどんな年にするのか、何をやり抜くのか「決意」し、「想い」を強く持って様々な「挑戦」をしてください。

 この1年を振り返ったときに、他人との比較でなく、今の自分と比べての成長が実感できるようになることを期待しています。皆さん一人ひとりにとって、飛躍の年、成長の一年になることを心から願っています。