【校長投稿】学校行事
令和6年度第3学期始業式 校長講話
皆さん、おはようございます。
令和7(2025)年のスタートです。今年は干支でいうと「巳(み)」、蛇の年です。巳年には「成長」や「変化」、「再生」というポジティブな意味が込められています。蛇は「脱皮」を繰り返しながら、成長する生き物です。同じように、私たちも新しい経験や学びを通じて自身を成長させることができます。時には、失敗や困難を経験することもあるでしょう。しかし、それらを新たな挑戦の機会として受け入れることで、自己を「再生」させ、さらに一歩前に進むことが可能になるのです。
また、蛇はゆっくりとしなやかに、曲線を描きながら進みます。そのため、変化する環境に柔軟に対応する力を象徴していると言われます。私たちも、日々の生活の中で柔軟な考え方を必要とする場面が多々あります。壁にぶち当たった時には、蛇のようにするりと乗り越えたいものです。
学校生活も同様です。これまでのやり方に固執するのではなく、時には、新たな挑戦や変化を受け入れることも必要です。柔軟な姿勢とともに、弛まぬ努力が必要です。巳年のエネルギーをお借りして、「自身を脱皮させる年」にしてみませんか?皆さんの小さな変化が、大きな成長につながる一年になることを期待します。
今日は正月休みに報道されていたニュースから感じたことをお話しします。
本校の卒業生で大学駅伝界のレジェンド 青葉 昌幸 さん(ちちぶエフエムで10月から12月にかけて放送していた連続ラジオ小説「青葉のタスキ」のモデルになった方です)をご存知ですか?11月に行われた高校駅伝の県予選会で声をかけてもらった人がこの中にいますよね?長く監督を務めておられた大東文化大学が今年も箱根駅伝に出場しました。今年は青山学院大学が大会記録を更新して2連覇(通算8回目の優勝)を達成しましたが、二日間見ていて色々なことを感じました。
特に心に残ったのは「ビジョンの重要性」です。「あるべき姿」、「ありたい姿」、こうしたビジョンを共有することで、チームが一つになり、チームは実力以上の力を発揮することができるということ。駅伝に出場するチームはどこも目指すのは優勝です。しかし箱根駅伝の面白いところは、優勝以外にも目指すべき目標があることです。それが「シード権獲得」。
箱根駅伝のシード権は総合成績上位10校に与えられる権利のことで、シード権のあるなしが翌年の活動に直結します(シード権があることで翌年は予選会を経ず本大会に出場できる)。そのため、たとえ優勝が難しくなっても、レースの途中から「シード権獲得」に戦略を切り替えるチームが現れ、数々のドラマ、名勝負を生んできました。優勝が決まっても、最後まで諦めないチームの姿勢が、私たちファンの心を掴んで離さないのだと思います。
もう一つ。
今年は第二次世界大戦が終結して80年の節目の年です。元旦の社説にこのことをとりあげる新聞がありました。今この瞬間も、戦争状態にあるパレスチナやウクライナの人たちのことを思うと、あらためて平和の尊さを考えなおさなければなりません。
日本で今年一番のイベント(平和の祭典)といえば、4月から10月まで開催される大阪・関西万博。「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、世界中から革新的な技術や文化が集まります。大阪での開催は55年ぶり。前回の万博は1970年に開催され、日本の高度経済成長をシンボライズする一大イベントになりました(映画「20世紀少年」の中で描かれていた時代です)。万博では新しい技術や商品が生まれ、生活が便利になるきっかけになりました。ファミレス、携帯、電気自動車、動く歩道などの普及は、大阪万博の産物といて過言でありません。
AIやデジタル技術の進化は、今回の万博を機にさらに加速するでしょう(いや、我々の手で加速させなければなりません)。こうした変化の中で最も大切にしなければならないことは、テクノロジーと人間の調和です。AIの強みと人間の知性を融合させ、お互いの弱点を補い合うような仕事ができれば、効率化は飛躍的に進みます。AI技術は新たな価値創造のツールとしても注目を集めています。変化を恐れず、むしろそれらを力に変え、さらなる成長に繋げていきましょう。
結びに、ここにいる全ての皆さんがこの1年間心身共に健康で過ごせるよう祈念するとともに、ラストスパートの3学期です。2学期の終業式では一部の人たちに向けて厳しいお話しもさせていただきましたが、「やるべき事は全てやった」と胸を張って言い切れるよう、学年末をお過ごしください。
今学期もよろしくお願いします。