【校長室だより】

【校長投稿】学校行事

第119回卒業証書授与式 式辞

 所かしこに春の息吹が感じられる今日この佳き日に、第119回卒業証書授与式を挙行できますことは、卒業生はもとより、私たち教職員及び在校生にとっても大きな喜びであります。本日晴れの日を迎えられた卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 保護者並びにご家族の皆様、本日は誠におめでとうございます。卒業の日を迎えられたお子様の立派な姿に、感慨もひとしおのことと存じます。また、この場をお借りして、これまで本校にお寄せいただきましたご支援、ご協力に深く感謝申し上げます。

 卒業生の皆さんは今、どのような思いが胸に去来していますか。この3年間、コロナ禍や自然災害に加え、国際紛争、人権・食料・環境・エネルギー問題など、大きな社会変動を目の当たりにしてきました。こうした中で、現実をしっかりと受け止め、力強く歩もうとする皆さんの姿に幾度となく勇気づけられました。部活動や各種コンテストでの全国レベルの活躍はもとより、県内各地で、秩父管内で開催された各種イベントへの参加・協力、人命救助や市長さんへの施策提言など、歴史に残る活躍をしてくれた皆さんを、誇りに思います。おそらく、在学中の印象深い場面が一人一人の脳裏に甦ってくることでしょう。それらすべてが「経験」という名の財産であり、かけがえのないものとして、皆さんのこれからを支えてくれるはずです。

 こうして皆さんの前でお話しするのは今日が最後です。お伝えしたいことが二つあります。

 一つ目は、「人格形成の自覚」についてです。我々の人格は概ね20年で完成すると言われています。私事で恐縮ですが、学生時代の友人が集まると、良くも悪くも、昔のままの姿がそこにあります。つまり、人格は20歳前後で完成され、その後の経験で多少の知恵を身に付けたとしても、その本質は変わらないのです。人格とは人柄。他人に対する思いやりや物事を謙虚に受け止められる素養は自分の可能性を大きく拡げ、一方で、言い訳や他人の悪口を重ねるような言動は、社会の中で受け入れられる要素など微塵もありません。

 この3年間、多様な人間関係の中で皆さんが学んだできたことは、一人一人の人格形成に大きな影響を与えているはずです。まずはそのことを認識し、さらに卒業後の3年間が今後の人生を送る上での基盤を造る最も重要な時期になるということを自覚し、本校を巣立って欲しいと思います。

 二つ目は、「一人で悩まない」ということです。皆さんが今後、仕事や学業に携わる中で、壁に突き当たることや挫けそうになることがあるかもしれません。「職場や学校の雰囲気に馴染めない」、「人間関係がうまくいかない」、或いは、「仕事や勉強の内容が想像していたことと違う。自分に合っていない」など、こうした悩みは、多かれ少なかれ誰もが経験することです。

 大切なのは、自分一人で悩まないことです。自分で抱え込んでしまっては、我慢するか、その状況から逃れるといった結論にしか至りません。周囲に助けを求めることをためらわないでください。信頼できる上司や先輩、友人、家族、母校の先生方に相談して、たくさんアドバイスを受けてください。職場の問題であれば、必ず助けてくれる人がいるはずです。仕事の内容であれば、その経験が自分の将来に役立つことがわからないだけなのかもしれません。多くの意見を聞き、冷静に、客観的に自分を見つめることが必要です。

 その過程を経ての結論であれば、進路を変えることも選択肢の一つであって良いと思います。そのためにも、本校で得た友人を大切にしてください。学生時代の友人は遠慮なくアドバイスしてくれる一生の友です。人に頼ることができる人は頼りになる人になります。皆さんも、人の痛みがわかる、頼りにされる社会人になってください。

 卒業する242名の進路は多様です。どうか皆さんには、何事にも関心を持つ姿勢を忘れず、自らの可能性を拡げ、学び続け、必ずや自己実現を果たしてください。

 秩父農工科学高校は、これからも皆さんを見守り続けます。皆さんの健康と今後の活躍、そして輝かしい未来を心より祈念し、式辞とします。