【校長投稿】学校行事
令和5年度第2学期始業式 校長講話
行動制限のなかった今年の夏休み、皆さんはどう過ごしましたか?
一人ひとりが違った夏休みを過ごしたことでしょう。新学期のスタートにあたり、まずは気持ちを切り替え、これからの未来を前向き捉え、進んでいきましょう。充実した2学期になるよう、今日は私が大切にしている言葉を紹介します。
「夢なき者に成功なし」
この言葉は、明治維新を主導した志士たちの思想に大きな影響を与えた、松下村塾の創設者、吉田 松陰 の言葉です。私なりに解釈すると、
「夢を持たない人は成功することなどありません。」と松陰は言っているように思えます。
しかし、夢を持てば必ず成功するといわけではありません。この言葉は、ある文章の文末に出てきます。その前には、こんなことが書かれていました。
「夢がない人には、こんな風になりたいという思いがない。」
「こんな風になりたいという思いがない人には、計画がない。」
「計画がない人は、行動しない。」
「行動しない人は、成功しない。」
つまり、行動しなければ「何も始まらない。成功もない。」ということなのです。
そして、成功するためには、行動するための計画が必要であり、計画を立てるためにはなりたい自分をイメージすること、つまり目標を持つこと。その目標を達成させることが「成功」であり、「夢」の実現なのです。
本校での「学び」は、各教科・学科の学習だけで行うものではありません。これまで身に付けてきた力を発揮する学校行事も、大切な「学び」の機会です。ですから、体育祭も文化祭も、成功を手にするための修行の場なのです。こんなご時世だからこそ、目標を持って前向きに行動しましょう。
「夢なき者に成功なし」
この言葉をキャッチフレーズにして、日々の「学び」を積み重ねて自身を高め、直面する課題を一つひとつ乗り越えていきましょう。
3年生はここからが本当の戦いです。気持ちを切り替え、この夏に経験した出来事やこれまでの「学び」を基盤にして、進路実現までの道のりを真っすぐ進んでください。1・2年生も、二度とない令和5年の夏に見つけたものを、次のステップアップのためにもさらに伸ばしていきましょう。
次に、先ほど行った シェイクアウト訓練 について振り返ってみましょう。
9月1日は「防災の日」です。今から100年前の今日発生した関東大震災では、10万5千人もの死者・行方不明者を出しました。近くでは12年前の東日本大震災。以降、火山噴火や地殻変動など、地球規模での自然災害が多発しています。異常気象に起因する大型台風やゲリラ豪雨、干ばつや森林火災・竜巻など、私たちの暮らしを豊かにしてくれるはずの自然が突如として牙をむく。これまでの経験が全く通じない事態が世界各地で頻発しています。そもそも訓練とは、予想もしない事態が起きた時のことを想定し、あらかじめシュミレーションしておく体験学習です。もしものこと、最悪のことをイメージして、想像力を働かせるところがポイントです。
1 地震発生時に取るべき行動
地震が起きた際には、慌てない、身の安全を確保する。この二つが最も大切です。緊急地震速報や揺れを感じたら、①ドロップ:何はともあれは姿勢を低くする、②カバー:頭を守る、③ホールドオン:動かない。地震の揺れはそう長く続きません。右往左往したり、SNSに憶測で不確かな情報を書き込んだりせず、まずは身の安全を確保し、揺れが収まったら周囲の安全を確認して冷静に次の行動、避難をしてください。この、「ドロップ、カバー、ホールドオン」の訓練は、「シェイクアウト」と呼ばれ、この後実際に体験してもらいます。
2 火災発生時に取るべき行動て
火災発生時には、「通報」「初期消火」「避難」の順に行動するのが基本です。しかし、状況によって優先順位が異なりますので、逃げ遅れないよう冷静な判断を心がけましょう。
次に、安全に非難するための 7つのポイント です。①天井に火が燃え移ったら即避難、②高齢者、子ども、病人を優先する、③服装などにこだわらずできるだけ早く非難する、④ためらいは禁物、一気に走り抜ける、⑤煙の中を逃げる時にはできるだけ姿勢を低くする、⑥いったん逃げ出したら、再び中には戻らない、⑦逃げ遅れた人がいたら消防隊に知らせる。
もしもの時の備えとして、心の片隅に留めておいてください。
これまでに起こった災害の教訓から学び、感受性を高め、危機管理能力をさらに向上させてください。毎年のように大規模災害が発生する昨今、いつ身近なところで災害が発生してもおかしくありません。事前の備えを怠らないようにしましょう。
講話は以上です。
令和5年度 第119回体育祭
開会式 学校長の言葉
皆さん、おはようございます。最高の体育祭日和になりました。
本日は多数のご来賓、保護者の方々においでいただいております。誠にありがとうございます。
また、企画や事前の準備にあたった生徒会、体育祭実行委員会、グランド整備をしてくれた生徒の皆さん。ご苦労様でした。
さて、今年の体育祭は第119回です。本校は創立124年目ですから、これまで5回実施できなかっただけで、明治時代から連綿と続く伝統行事です。皆さんには、その重みを感じてほしいと思います。
種目も陸上競技主体で、他校と比べて硬派なものが多くいです。自分の持てる力を存分に発揮しつつ、クラスの団結力をしっかりアピールしてください。
それでは、総合優勝目指して頑張りましょう!!
閉会式 学校長の言葉
今日は楽しい一日でした。皆さんが力一杯競技する姿を見ることができ嬉しかったです。また、クラスTシャツはクオリティの高いデザインのものもあり、総じて素晴らしかったです。
結果を見ると、団結力のあったクラスが上位を占めていたように思えます。
これで体育祭は終わりますが、次は本校最大のイベント、“農工祭”です。“農工祭”でも其々の企画で団結し、感染症対策を万全に行って大いに盛り上げてください。
今日は素晴らしい体育祭でした。関わったすべての皆様に感謝の気持ちをお伝えして、学校長の言葉とします。ありがとうございました。
最後に、下校の際には気持ちを切り替えて、事故などにあわないよう気をつけてください。以上です。
令和5年度第3回壮行会 校長挨拶
皆さん、こんにちは。考査お疲れ様でした。
ただ今、紹介のあった 柔道部 が、東京の講道館で開催される 関東高等学校選抜柔道大会 に出場します。
講道館は「柔道家であり、教育者でもあった 嘉納 治五郎 先生 が興した柔道の総本山であり、世界中の柔道家があこがれる聖地」です。本大会出場には惜しくも届きませんでしたが、地区大会を勝ち上がり、県大会でも複数の部員が各階級で勝ち進むなど、柔道部は日頃の鍛錬の成果を挙げました。特に関東大会出場はその賜物だと思います。本当におめでとうございます。
また、壮行会の対象ではありませんが、電機システム科3年課題研究EV班5名 が、茨木県にある モビリティリゾートもてぎ で、今週末の15日(日)に『 Ene-1 MOTEGI GP 』に参戦します。この後、銀杏並木下で試走すると聞いています。ぜひ、選手に激励の言葉をかけてあげてください。
さらに、今月25日(水)に熊本県で開催されるF FJ全国大会農業鑑定競技会 に 農業科・食品科学科・森林科学科の精鋭3名 が出場します。
いずれも、専門分野の学習成果を試す貴重な機会です。選手の皆さんがこれまで努力してきたことは誰もが認めるところです。皆さんを支えている多くの人たちに感謝し、その恩に報いるため、また学校の名誉のために、心を強く持ち奮闘してもらいたいです。
壮行会の度にお話ししていることですが、一番大事なのは、自分の力が本番で発揮されること。いずれも考査直後の大会となりますが、日程を考えて、体調やメンタルを調整するなど、しっかり準備を進めてください。
それでは、秩父農工科学高校の代表として、埼玉県の代表として、頑張ってきてください。
これから、校歌斉唱があります。皆さんで大きな声で校歌を歌って、選手を送り出してください。
「秩農工祭」開会式 校長挨拶
皆さん、おはようございます。
いよいよ、秩農工祭 が始まります。
これまで、企画や準備をしてくれた実行委員の皆さん、そして生徒会の皆さんご苦労様でした。ポスターやリーフレットの作成に尽力してくれた人たちもいます。さらには、これまでご指導いただいた先生方や応援に駆けつけてくださる外部の方々にも、心から感謝いたします。ありがとうございます。
各参加団体でも企画を考え、作業を分担しながら準備をし、色々な問題を克服しながら本日を迎えたものと推察します。
本校の文化祭は、秩父地域の一大イベントです。4年ぶりの一般公開ということもあり、大勢のお客様が来校し、皆さんの日頃の活動成果を楽しみにしています。来校したお客様を、おもてなしの心をもって接遇してください。
苦労や困難が大きければ大きいほど、達成した時の喜びや感動はそれだけ大きなものになります。こうした経験は、必ず皆さんを成長させます。志を同じくする仲間との 絆 を深め、完全燃焼 する。そして、この学校で学んでいる 仲間と過ごすこの瞬間が最高 と感じる 素晴らしい思い出 をたくさん作ってください。
ただし、今年はもう一つ気にして欲しいことがあります。それは異変に気を配ること。悪意をもった者が紛れ込む可能性があります。数日前に、秩父市内の公的機関を狙った爆破予告があったばかりです。異変を感じたら、すぐ近くの先生方に知らせてください。健康面での異変についても同様に気を配ってください。
最後に、今年度の秩農工祭のテーマは、我らが受け継ぐ伝統 秩農工祭 ここにあり です。
ルールとマナーを守りつつ、皆さんの力で本校の伝統をしっかり継承し、新たな風を吹き込み、秩農工祭 を大いに盛り上げ、存分に楽しみましょう。
終わります。
「秩農工祭」閉会式 校長挨拶
皆さん、こんにちは。
校門の上部に今年のテーマとして 我らが受け継ぐ伝統 秩農工祭 ここにあり と掲げてありました。
各部、各学科の展示・発表を全て見させていただき、日頃の皆さんの活動状況やその成果がよくわかりました。そして、準備に多くの手間と時間をかけたことが偲ばれます。
また、2日間合計で3千3百人以上のお客様に来ていただきました。コロナ禍の中断を経ても 秩農工祭 が地域の人たちに期待され、愛されるイベントであることを確信しました。
演劇部の公演とかぶってしまいますが、戦争、食糧不足、貧困、人権侵害、環境破壊。世界に目を向ければ、思うようにならない厳しい現実が山ほどあります。それでも、今できることにどれだけ誠実に、真剣に、そしてポジティブに向きあえるか。そもそも文化活動とは深い精神活動をよりどころにするものです。共感し、想いを共有する中で他者に影響を与え、伝え拡がっていくものなのです。素直に驚き、感じ、感動する。その感性を奮い立たせ、思いの詰まった文化祭を皆で創り上げた2日間でした。
テーマのとおり 農工の伝統 が紡げたと感じます。今後も、地域に期待され、愛される秩父農工科学高校、農工生であり続けて欲しいです。そして、それは皆さんの普段の行動にかかっています。地域の大人たちが、昨日も大勢来てくれましたが皆さんに憧れる子どもたちが、必ずどこかで見ています。農工生としてのプライドを常に持ち続け、行動するよう心掛けてください。
この後自分や所属する団体の活動をしっかり振り返り、今回の学びを次に活かしてください。
校長としては、今年の文化祭は大成功でした。生徒会、実行委員をはじめとして、ここにいる生徒・教職員全ての皆さん、お疲れ様でした。そしてありがとうございました。
今週末も埼玉県産業教育フェアや豊島区への出張演奏、秩高とのコラボ写真展、公式試合など予定が詰まっている人も多いと思います。感染症への罹患を抑止するためにも、まずはしっかりと身体と心の休養を接り、気持ちを切り替えて次の準備を進めてください。
終わります。
優良青少年表彰(感謝状贈呈)
11月25日(土)
秩父市歴史文化伝承館で開催された
第43回秩父市青少年健全育成推進大会 に於いて
3年生 の 池田 日向 君、加藤 夏輝 君(フードデザイン科)、島田 歩夢 君(電機システム科) が
秩父警察署長・秩父市長連名 の感謝状を贈呈されました。
優良青少年 とは
「その行いが家庭・学校・地域の活動を通じて、他の模範として賞賛にふさわしいもの」
と表彰規定に定義されています。
2学期当初に、体調不良で身動きできなくなってしまった方を助けた事が評価されました。
登校途中、偶然近くに居合わせた3名が機転を利かせ 人命救助に貢献 しました。
本校の校訓である 協同和親 を体現しました。
皆さんの立ち振る舞いを、地域の方々が見守っています。
農工生として誇りと自信 を持ち、日々行動してください。
令和5年度生徒会役員選挙 立会演説会 校長挨拶
ここで任期を終える会長の黒澤君をはじめとする生徒会役員の皆さん。全校生徒のリーダーとして、様々な行事や活動をこれまでけん引してくださり、本当にありがとうございました。新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるため、様々な制限をせざるを得ない状況下にあっても、柔軟な発想と行動力を発揮して、心に残る行事を実現してくれました。また、夏休みには本校の代表として、市長をはじめとする秩父市幹部職員の方々に生徒総会で提案のあった皆さんの要望を直に伝え、改善に向けて前向きに検討していただく約束を取り付けてくれました。
この場をお借りして、あらためてお礼を申し上げます。
さて、新役員を選出する今回の選挙に16名の有志が立候補し、投票を行うこととなりました。
候補者の皆さん全員に質問します。
・あなたはなぜ役員に立候補したのですか?
・ あなたは、秩父農工科学高校をどんな学校にしたいのですか?
また、それぞれの活動を、どのようにして全生徒が身近に感じるよう活性化させますか?
・あなたの目指す学校にするために、役員としてどのようなことに取り組みますか?
有権者の皆さんは、これらの質問にしっかりと答えられる候補者を選んでください。なぜなら、それぞれの役員は、これまでの実績が示すように、これから本校のリーダーになる人たちだからです。
リーダーには、「誰にも負けない農工を愛する気持ち」、「困難な課題にチャレンジするタフな精神力」、「人前で物事をわかりやすく伝える力」、「多くの人を動かす力」が必要です。演説を聴いて、皆さんのリーダーにふさわしい人物かどうかを見極める眼を養う機会にしてください。
生徒会があなたのために何をしてくれるのか待つのでなく、あなたが学校のために何ができるのかを考えてください。
先生、生徒、保護者、卒業生、そして地域の皆さんが、そのような考えを共有できれば、必ず農工はさらに素晴らしい学校になるはずです。
生徒会活動が益々発展し、活性化することを願っています。
令和5年度第2学期終業式 校長講話
皆さん、おはようございます。
今年も残り9日になりました。夜祭後に秩父地域の学校ではでインフルエンザが拡がってしまいました。今年は季節外れの感染症(溶連菌やノロウイルスなど)も全国的に蔓延しています。コロナからの学びを活かし、感染症対策を万全に行い、年末年始は体調管理にくれぐれもご注意ください。
さて、一昨日成績会議が開かれ、学年ごとに皆さんの学期末成績について報告されました。残念ながら欠点保持者が少なくありません。「努力してその成果が挙がった人」、「あまり努力をしなかったけどどうにか欠点を免れた人」、「努力したけどそれが報われなかった人」、「努力しないので当然の結果として欠点保持者になった人」。以上4つに分類したとき、自分はどのカテゴリーに入るのか振り返ってみてください。「努力したけど結果が伴わなかった人」は、私はさほど心配していません。追指導を受けて、必ずリベンジしてください。問題なのは「何の努力もせず欠点を取った人たち」です。学校は学ぶところ。学校生活は、ルールの中で日々の学習に前向きに取り組むことが前提です。これがおざなりになってしまったら学校としての体をなさなくなり、後々、無意味な高校生活(3年間)だったと後悔するようなことがあっては困ります。諦めてしまったらそこで試合終了。今ならまだ間に合います。学習相談会が今日の午後予定されています。「どこが至らなかったのか?自分は今何をすれば良いのか?」しっかり考えてください。更なる頑張りに期待します。
少し時間をいただき、今日は人権の話しをさせてください。
「人権ってどんなこと?」と聞かれたらどう答えますか。
わかりやすく言うと、「みなさんが学校や家庭や地域で楽しく元気に生活する権利、つまり毎日を幸せに生きる権利」のことです。
今から75年前、世界中の国々が集まった国際連合で話し合いが重ねられ、世界人権宣言が採択されました。採択された12月10日を日本では「世界人権デー」と呼び、12月4日から10日までの1週間を「人権週間」と定めています。3年生は一昨日の社会人講座で、1年生は火曜日の進路講話で「人権」に関わる話が講師の方からありましたよね?
いじめや児童虐待、ハラスメント、ネット上の人権侵害、感染症や障害等を理由とする偏見や差別、ハンセン病の問題など、様々な人権問題が依然としてこの世に存在しています。これらの問題解決には、私たち一人ひとりが「誰か」の問題ではなく自分の問題として捉え、互いの人権を尊重し合うことの重要性を理解し、認識を深めることが不可欠です。私たちは、皆が幸せに生きる権利を持っているのです。
自分や自国のことだけ考えているようでは人権問題の解消に向かいません。パレスチナのガザではイスラエル軍が侵攻を始めて以降、これまで2万人もの人命が奪われ、このうち8千人が子どもだそうです。この地球上に住む全員が安心して暮らせるよう、今、私たち生きているこの世界の現実を正しく理解するための努力が必要と感じます。
最後に、明日から17日間の冬休みに入りますが、生活リズムを崩さず、事故に遭わないようにしましょう。また、新年にあたって、今年を振り返りながら、来年度の目標を考える機会にしてください。
それではよいお年を!!
令和5年度第3学期始業式 校長講話
元旦に発生した石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」では、これまでに490人以上の死者、安否不明者が出ています。1週間以上経過した現在も、2万人8千以上の人たちが避難所生活を強いられています。被災された方々へのお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。地震大国の現実を知る年明けになりました。防火避難訓練の際にもお話ししましたが、 こうした教訓を他人事とせず、自らの学びに繋げてください。
さて、辰年の2024年はどのような年になるのでしょうか?
新たな年の初めに、「今年こそ良い年にしたい」と願う人は多いと思います。私もその一人です。とりわけここ数年は、年末になると「今年も大変な、厳しい年だった」と振り返ることが多くなり、新年の願いは年を追うごとに強くなっている気がします。今年は、ただ「なんとなく」ではなく、せっかくならしっかり達成できる方法で「目標」を設定してみませんか?
夢や目標を掲げるときには、それを「いつ」達成するのかを、明確にすることが肝です。それは夢や目標を実現させるための大事なセオリーです。「夢」と「目標」は同じでありません。その違いはどこにあるかわかりますか? それは達成の「期限」が明確かどうかです。言い換えるなら、「いつかこうなりたい」、「いつかこれをやりたい」という夢は、期限を決めた時点で「夢」ではなく「目標」になるのです。
真面目な人ほど、がむしゃらに頑張ります。頑張ることは確かに素晴らしいのですが、頑張ること自体が目標になってしまいがちです。残念ながらそれでは成果は出せません。成果を出す人というのは、ただ漫然と頑張ったりはしません。努力する前に達成すべきゴールを明確に決めてから、その実現のための戦略を考えます。ターゲットがはっきりしていれば、戦略の精度も上がります。だから、成果が出るのです。
「いつ」「何を」達成するかを明確にする目標設定は、皆さんの努力や頑張りを成果につなげるカギとなります。これこそまさに目標設定・目標達成のための「技術」なのです。大事なのは「一度決めた目標は簡単に下方修正しない」という覚悟を持つこと。とりあえず「来年の北部支部大会で優勝する」を目指してみて、途中で無理そうと思ったら「3番くらいに変えればいいや」などと考えるようでは、目標設定をする意味がありません。だからこそ、目標を設定する時点で、その目標が自分にとってどれくらい難しいものであるか理解する必要があるのです。難しいとわかっていれば、気を引き締めたり、よりハードな戦略を検討したりすることもできるし、もちろん、自分にとって妥当だと思われるレベルにあらかじめ引き下げることもできます。
実際には、
1 まずは過去のデータや実績にはとらわれず、「こうなったらいいなあ」という自分にとって
「最高の目標」を書き出します。
2 次に、これまでの経験からすると、「これは確実に達成できる」という「最低限の目標」を
書き出します。
3 難易度としての「中間の目標」を書き出します(これは「感覚としての難易度の中間」であり、
最高の目標と最低限の目標の数字的な「中間」というものではない点に注意)。
4 達成までの期限も考慮しながら、1~3の目標を比較して、今回の目標はどのあたりが適切な
レベルかを考えます。
「最高の目標」から「最低限の目標」までの幅は、一人ひとりの「心の幅」でもあります。人間は自分の心の幅を超えることはできないので、心に描いた「最高の目標」以上の結果は得られません。自分自身の可能性に蓋をしないためにも、常に高い目標を思い描いてイメージを拡げ、心の幅の上限を伸ばしておきましょう。
この一年がここにいる全ての人たちにとって、昇り龍のごとく飛躍の年になることを祈念します。
令和5年度第4回壮行会 校長挨拶
ただいま紹介のあった演劇部が今月下旬に栃木県で開催される関東高等学校演劇研究大会に出場します。おめでとうございます。
演劇部は、高校演劇中央大会で高評価を得て、関東大会出場を決めました。夏の全国総合文化祭(2023かごしま総文)優良賞受賞に続く快挙です。
次に男子ソフトボール部は、11月に行われた県予選を制し、昨年に続き全国高校男子ソフトボール選抜大会に出場します。こちらは3月下旬に山口県で本大会が開催されます。
私見ですが、才能や環境は平等に与えられるものではありません。努力は時として報われないこともあります。絶対に評価される、勝てる、そんな魔法などはどこにも存在しません。でも、そんな結果の見えないことと向き合うことが、部活動の本質だと思います。周囲に何を言われようが、「自分たちだけは、自分たちの努力を信じ、前に進む」。そんな、勇敢な一歩(日々の挑戦)を、送り出す側の我々は、誰よりも応援する存在でありたいと思います。
秩父農工科学高校の代表として、埼玉県の代表として、頑張ってください。
これから、校歌斉唱があります。皆さんで大きな声で校歌を歌い、送り出しましょう。