【校長室だより】

【校長投稿】学校行事

令和6年度第1学期終業式 校長講話

 おはようございます。

 はじめに、先日の豪雨で被災された愛媛県の方々にお悔やみとお見舞いを申し上げます。いつ、何時、こうした災害に見舞われるかわからない時代です。今日明日中に関東地方でも梅雨明けが宣言されそうです。感性を磨き、常にアンテナを高くして、自分の命は自分で守る、熱中症対策を含め、危機管理を徹底させてください。

 さて、今日は庭園デザイナーで僧侶の 枡野 俊明(ますの しゅんみょう)さんのコラムから二つの禅語(禅宗の文献に書き記された言葉)を紹介します。枡野さんは、禅の思想と日本の伝統文化に根ざした「禅の庭」の創作活動を行い、国内外から高い評価を得ています。曹洞宗のお寺のご住職であり、多摩美術大学環境デザイン学科の教授でもあります。2006年には、雑誌の『ニューズウィーク』日本版で、「世界が尊敬する日本人100人」に選出されています。本校の図書館には枡野さんの本があるので、関心を持つ人がいたら読んでみてください。

  「人からよく見られたい、良い人だと思われたい。」という気持ちは誰もが持つ感情だと思います。そして、好意を寄せている人から好かれたいという私的な感情を持つことも、時としてあるでしょう。

 先週、野球部の応援に行って、選手たちの戦う姿を見て清々しく感じました。彼らは損得ではなく、チームの勝利のためだけに、臆することなくひたむきにプレーしたからこそ、私は心を惹きつけられたのだと感じました。つまり、「人からよく見られたい、好かれたい。」などという邪心を一切持たず、無心に戦う姿は魅力的であり、人を惹きつけるのだと思いました。

 一つ目の禅語は、「歩歩是道場」(ほほこれどうじょう)です。

 「いつでも、どこにいても、そこが道場であり、何をしていても修行になるのだ」という意味です。その心構えで、「一瞬一瞬を一所懸命に努めなさい」という意味です。一途に、一所懸命取り組んでいる人の姿を見て、好感を持つ人は多いと思います。

  よく見られたいという思いが強くなり過ぎて、ちょっと欲張って自分を“盛る”ことは、「自我」の現れと言えます。自分自身の存在や考え方に執着する心を「自我」といいます。リアルの人づきあいの中で自分を“盛る”のは、かえって自分を苦しめることになってしまうと思うのです。なぜなら「ありのままの自分」がいつまでたっても殻を破ることができないからです。人は、自身の未熟さを自覚し、それを改めようと努力することで成長します。自分を飾らず、ダメな部分も全てさらけ出し、ありのままの自分で人と接したいものです。

 二つ目の禅語は、「明歴々露堂々」(めいれきれきろどうどう)です。

 真理は探すものでも求めるものでもありません。すべてが、明らかに堂々とあらわれていることに気づきなさい、という意味です。多少自分を盛って人と接していても、あなたをよくわかっている人は、あなたのほんとうの姿をお見通しなのです。これから深くつきあっていきたいと思う相手なら、なおさら自分をさらけ出してください。自分を盛って人と接していると、いつまでも素の自分が出せず、よそよそしい関係になってしまうでしょう。ありのままの自分をさらけ出している人は親しみやすく、好感がもてると思います。自分が自分らしく生きることが「明歴々露堂々」です。また、それが生きる自信にもつながるのです。

 9月2日の始業式では、部活動やコンテスト、資格取得、進路活動等、様々なチャレンジを通して一回り成長し、自信に満ち溢れた皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

令和6年度第2学期始業式 校長講話

 おはようございます。

 今年も暑い日が続きましたが、ここにいる皆さんは、充実した夏休みを過ごしたことと思います。夏が過ぎると次の季節は秋。「秋」という字は「禾偏に火」の組み合わせです。禾は穀物を表し、火は乾かすという意味です。早いところでは「はざかけ」をしている田んぼも見かけます。米や麦だけでなく、リンゴやナシ、ブドウなどの果物、クリやサツマイモなど多くの農作物が収穫される季節であり、「実りの秋」と呼ばれます。

 2月4日の立春から数えて二百十日(今年は9月1日でした)頃が台風の多い日、風の強い日と古くから言い伝えられてきました。農作物の収穫に大きな影響を及ぼす台風が日本列島に数多くやってくる時期であり、台風の襲来を恐れ、少しでも被害が少なくなるよう備える季節です。予報の精度が向上している現代に於いても、被害を食い止めることができません。台風10号によって亡くなられた方、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 台風の余韻が残る中で、今日は皆がよく集まりました。そもそも始業式の目的は二つあります。一つは、長期休業を終えての再会の日に元気な姿を互いに確認して喜び合うこと。二つ目は、新たな学期の始まりにあたって重点的に取り組むことや大切にしたいことを皆で確認・共有すること。まずは、元気な皆さんと再会できたことを素直に喜びたいです。この夏、皆さんにはどんな出会いや発見があったでしょうか?自らの成長を実感する機会がありましたか?次のチャレンジに向かう意欲が高まる夏になりましたか?

 今学期心がけてほしいこと、目標にしてほしいことを2つ伝えます。

 一つ目は、「計画性をもって地道な努力を積み重ねてほしい」ということです。3年生は社会の扉を開く時(就職や進学のための試験)が間近に迫っています。どの扉を選ぶかは人それぞれですが、共通するのは、自分で選び、自力で近づき、自分の手で開く、ということです。自動ドアなどありません。また、開いた後の世界は様々、まさに未知の世界ですが、近づくための努力は仲間たちと励まし合いながら一緒にできる、これが学校の素晴らしいところです。扉に届くまでの時間をしっかりスケジューリングし、自分に嘘をつかない、最後まで諦めない、地道な努力を積み重ねてください。こうした努力の積み重ねは、貴重な経験として必ずやこれからの人生に活きていきます。夢を志に高めて、苦難を乗り越えてください。1・2年生は、先輩の姿をしっかりと目に焼き付け、「自分の扉探し」と「夢や目標を実現するための参考」にしていきましょう。

 二つ目は、「一皮むける」ということです。この夏に部活の合宿や大きな大会などを通じて経験した人もいると思いますが、なかなか自分では気づきません。自分を成長させるための脱皮には、新しい人との交流や初めての経験が役に立ちます。偶然でもかまいません。できれば意図的に、自身の変革を促すことを意図した脱皮を心がけてください。一皮ずつむいていけば、いずれは変革を遂げた自分に出会えるでしょう。2学期にむく初めの一皮を何にするか?体育祭、秩農工祭、マラソン大会、インターンシップ、色々な行事があります。率先しての挨拶による居心地の良い環境づくり、授業・実習・部活動に臨む姿勢の変革など、より良い集団を創り自身を高めるため皮を剥く。思い立ったら即実行です。

 1年の中で最も忙しい、でも充実感のある2学期が今日からスタートします。ぼんやり過ごしていてはもったいない学期の到来です。何事にも意志を持って真正面から向き合い、仲間とともに思い出の種をたくさん蒔きましょう。

 以上、ひさしぶりの再会を喜ぶとともに、2学期への期待をお伝えし、始業式の式辞とします。

令和6年度第3回壮行会 校長挨拶

ただ今紹介のあった男子ソフトボール部員8名が

10月12日から開催される SAGA2024国民スポーツ大会 ソフトボール 少年男子 に出場します。

これまでの国民体育大会(国体)が国民スポーツ大会(国スポ)に今年から変わります。

皆さんご存知の通り、本校の男子ソフトボール部は全国に名の知れた強豪校です。

しかしながら、インターハイ予選では昨年に続き熊谷工業に苦汁を飲まされるなど、悔しい思いをしました。

悔しさをばねにして、今度は熊谷工業の選手たちと一致団結して、関東ブロック予選を一位で勝ち抜け本戦出場を果たしました。

夏休み中も、気を抜くことなく努力してきた成果だと思います。

おめでとうございます。

いつも言うことですが、一番大事なことは、自分の力が十分に出せることだと思います。

大会日程を考えて、体調やメンタルを調整してほしいと思います。

それでは、秩父農工科学高校の代表として、そして埼玉県の代表として、頑張ってください。

これから、校歌斉唱があります。大きな声で校歌を歌い、選手を送り出してください。

体育祭 校長挨拶

開会式

おはようございます。最高の体育祭日和になりました。

本日は多数のご来賓、保護者様に隣席いただいております。誠にありがとうございます。

また、体育祭の企画・準備にあたった、生徒会、体育祭実行委員、グランド整備をしてくれた部活動や各委員会の皆さん、ご苦労様でした。

今年の体育祭は第120回です。明治時代から連綿と続く伝統行事です。皆さんにはその重みを肌で感じて欲しいです。

ところで、大谷選手の連日の活躍、すごいですね。先週19日(木)のマーリンズ戦で大爆発し、50本塁打・50盗塁 という前人未踏の大記録を達成しました。その後も着々と数字を伸ばしていて、55-55 も視野に入ってきました。

彼の偉業は、日々の地道な努力の賜物です。我々の学校生活も同様ですが、どんなに小さなことでも積み重ねていくことが、やがて大きな成果につながります。

努力を毎日積み重ねることは誰でもできます。前の日よりも 1.01倍 成長すれば、1年続けるだけで 37.8倍 も成長した自分になります。

大谷選手の活躍からパワーをもらい、今一日頑張りましょう!

自分の持てる力を存分に発揮し、クラスの団結力もしっかりアピールしください。

それでは、総合優勝目指して頑張りましょう!!

 

閉会式

今日は、皆さんが力一杯競技する姿を見ることができて大変嬉しく思いました。

また、クラスTシャツや仮装、部活対抗リレーなど、工夫を凝らしたものが数多く見られて良かったです。

結果を見ると、チームとして戦略を持ち、団結力を発揮したクラスが上位を占めました。

これで体育祭は終わりますが、次は本校最大のイベント、秩農工祭 です。

其々の企画でさらに結束し、感染症対策を万全に行った上で大いに盛り上げてください。

本当に素晴らしい体育祭でした。関わったすべての皆様に感謝の気持ちをお伝えします。

ありがとうございました。

最後に、危機管理 の話をあえてこの場でさせていただきす。

能登の豪雨災害で亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被災された方々へお見舞いを申し上げます。

1月の震災後には生徒会の役員を中心に募金活動を行い、秩父市を通じて義援金をお届けしました。

こうしたご縁もあり、今回のこのような災害を防ぐことができなかったことが悔しくてなりません。

いつも言っていることですが、「何かあったら自分の身は自分で守ならなければならい」。「リスクがあるとわかっていることは一つ一つ芽を摘んでいかなければならない」。

開会式でも話しましたが、危機管理に於いても日々の取組が重要です。

むすびに、今月30日までが「秋の全国交通安全運動」の期間中です。

帰るときには気持ちを切り替えて、事故にあわないよう気をつけて帰宅してください。

以上で終わります。

秩農工祭 開会式 校長挨拶

 皆さん、おはようございます。

 いよいよ、秩農工祭 が始まります。

 これまで、企画や準備を進めてくれた実行委員の皆さん、生徒会の皆さん、ご苦労様でした。ポスターやリーフレットの作成に尽力してくれた人たちもいます。さらには、これまでご指導いただいた先生方や応援に駆けつけてくださっている外部の方々に、心から感謝いたします。ありがとうございます。

 各参加団体では企画を色々と考え、仕事を分担しながら準備をし、様々な問題や課題を克服して今日を迎えたものと思います。

  本校の文化祭は、大勢のお客様が来校します。皆さんの学習成果の発表を楽しみにしています。お客様には、おもてなしの心をもって接遇してください。

 苦労や困難が大きければ大きいほど、達成した時の喜びや感動はより大きなものになります。こうした経験を積み重ね、皆さんは必ず成長します。志を同じくする仲間との 絆 を深め、完全燃焼 する。そして、この学校で学んでいる仲間と過ごすこの瞬間が最高と感じる「素晴らしい思い出」をたくさん残してください。

  もう一つ気にして欲しいことがあります。それは、昨年もこの場でお話ししましたが、異変に気付くことです。悪意を持つ者が紛れ込む可能性がゼロとは言い切れません。昨年この時期に市内の公的機関を狙った爆破予告がありました。異変を感じたらすぐ近くの先生方に知らせてください。感染症も増加傾向にあるので、健康面での異変についても気を配ってください。

 最後に、今年度の秩農工祭のテーマは、「大空にかけよう 秩父農工 七色の虹」です。

 ルールとマナーを守り、皆さんの力で、本校の伝統をしっかり継承するとともに、新たな風を吹き込み、秩農工祭 を大いに盛り上げ、存分に楽しみましょう。

秩農工祭 閉会式 校長挨拶

 皆さん、こんにちは。

 校門の上に今年のテーマ「大空にかけよう 秩父農工 七色の虹」が掲げてありました。

 2日間かけて各部、各学科の展示・発表を見させていただき、日頃の皆さんの活動状況やその成果がよくわかりました。そして、準備に多くの手間と時間をかけたことが偲ばれます。素直に驚き、肌で感じ、感動する。皆さんの豊かな感性を奮い立たせて、思いの詰まった文化祭を創り上げることができました。

 天気にも恵まれ、公式発表では2日間合計3千2百人(受付を通らず外回りだけで帰ってしまった人たちまで含めると4千人以上)のお客様が来校しました。卒業生や家族・親戚を含め、地域の人たちが大勢来てくださいました。秩農工祭が地域の人たちに期待され、愛されるイベントであることに揺るぎがないことを再確認しました。

 テーマのとおり 秩父の大空に七色の虹をかけることができた と思います。今後も地域に愛される秩父農工科学高校、農工生であり続けて欲しいです。それには、皆さん全員の、普段の行動がカギになります。皆さんに憧れる子どもたちも見ています。農工生としての誇りとプライドを常に持ち続け、広い視野を持って行動するようお願いします。

 この後自身の取組や所属団体の活動を振り返って、ここで得た学びを次に活かしてください。

 令和6年度の秩農工祭は大成功です。生徒会、実行委員をはじめとして、ここにいる全ての皆さん。お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

 今週末も公式大会や進路活動、夜祭に向けての地域行事など、予定が詰まっている人も多いと思います。感染症(特にインフルエンザ)が拡大傾向にある中で、まずはしっかり身体を休め、気持ちを切り替え、次に備えてください。

 終わります。

生徒会役員選挙 校長挨拶

 ここで任期満了を迎え退任する  伊古田会長 をはじめとする生徒役員の皆さん。

学校のリーダーとして、様々な行事や校外活動をこれまでけん引していただき、ありがとうございました。

柔軟な発想と行動力を発揮し、歴史ある本校の看板を背負い、あらゆる場面で最善を尽くしてくれました。

 あらためてお礼を申し上げます。 

 さて、令和6年度後期・令和7年度前期生徒会役員を決める今回の選挙に19名の有志が立候補し、投票を実施することになりました。

 候補者の皆さん全員に質問します。

 ① なぜ役員に立候補するのか?

 ② 秩父農工科学高校をどんな学校にしたいのか?

   また、生徒会活動をどのようにして全生徒が身近に感じるよう活性化させるのか?

 ③ あなたの目指す学校にするために、役員としてどのようなことに取り組むのか? 

 有権者の立場にある皆さんは、これらの質問にしっかり答えられる候補者を選んでください。なぜなら、過去の実績が示すように、ここにいる人たちの中から本校のリーダーを育てなければならいからです。

 リーダーには、「誰にも負けない農工を愛する気持ち」、「困難な課題にチャレンジするタフな精神力」、「人前で物事をわかりやすく表現する力」、「多くの人を動かす力」が必要です。演説を聴いて、皆さんのリーダーにふさわしい人かどうかを選ぶ眼を養う機会にしてください。

 生徒会があなたのために何をしてくれるのかを待つのでなく、あなたが学校のために何ができるのかも併せて考えてみてください。先生、生徒、保護者、卒業生、そして地域の皆さんが、そのような思いを共有できれば、さらに素晴らしい農工になるはずです。

 生徒会活動がさらに発展し、農工が飛躍することを期待します。