おはようございます。
今年も暑い日が続きましたが、ここにいる皆さんは、充実した夏休みを過ごしたことと思います。夏が過ぎると次の季節は秋。「秋」という字は「禾偏に火」の組み合わせです。禾は穀物を表し、火は乾かすという意味です。早いところでは「はざかけ」をしている田んぼも見かけます。米や麦だけでなく、リンゴやナシ、ブドウなどの果物、クリやサツマイモなど多くの農作物が収穫される季節であり、「実りの秋」と呼ばれます。
2月4日の立春から数えて二百十日(今年は9月1日でした)頃が台風の多い日、風の強い日と古くから言い伝えられてきました。農作物の収穫に大きな影響を及ぼす台風が日本列島に数多くやってくる時期であり、台風の襲来を恐れ、少しでも被害が少なくなるよう備える季節です。予報の精度が向上している現代に於いても、被害を食い止めることができません。台風10号によって亡くなられた方、被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
台風の余韻が残る中で、今日は皆がよく集まりました。そもそも始業式の目的は二つあります。一つは、長期休業を終えての再会の日に元気な姿を互いに確認して喜び合うこと。二つ目は、新たな学期の始まりにあたって重点的に取り組むことや大切にしたいことを皆で確認・共有すること。まずは、元気な皆さんと再会できたことを素直に喜びたいです。この夏、皆さんにはどんな出会いや発見があったでしょうか?自らの成長を実感する機会がありましたか?次のチャレンジに向かう意欲が高まる夏になりましたか?
今学期心がけてほしいこと、目標にしてほしいことを2つ伝えます。
一つ目は、「計画性をもって地道な努力を積み重ねてほしい」ということです。3年生は社会の扉を開く時(就職や進学のための試験)が間近に迫っています。どの扉を選ぶかは人それぞれですが、共通するのは、自分で選び、自力で近づき、自分の手で開く、ということです。自動ドアなどありません。また、開いた後の世界は様々、まさに未知の世界ですが、近づくための努力は仲間たちと励まし合いながら一緒にできる、これが学校の素晴らしいところです。扉に届くまでの時間をしっかりスケジューリングし、自分に嘘をつかない、最後まで諦めない、地道な努力を積み重ねてください。こうした努力の積み重ねは、貴重な経験として必ずやこれからの人生に活きていきます。夢を志に高めて、苦難を乗り越えてください。1・2年生は、先輩の姿をしっかりと目に焼き付け、「自分の扉探し」と「夢や目標を実現するための参考」にしていきましょう。
二つ目は、「一皮むける」ということです。この夏に部活の合宿や大きな大会などを通じて経験した人もいると思いますが、なかなか自分では気づきません。自分を成長させるための脱皮には、新しい人との交流や初めての経験が役に立ちます。偶然でもかまいません。できれば意図的に、自身の変革を促すことを意図した脱皮を心がけてください。一皮ずつむいていけば、いずれは変革を遂げた自分に出会えるでしょう。2学期にむく初めの一皮を何にするか?体育祭、秩農工祭、マラソン大会、インターンシップ、色々な行事があります。率先しての挨拶による居心地の良い環境づくり、授業・実習・部活動に臨む姿勢の変革など、より良い集団を創り自身を高めるため皮を剥く。思い立ったら即実行です。
1年の中で最も忙しい、でも充実感のある2学期が今日からスタートします。ぼんやり過ごしていてはもったいない学期の到来です。何事にも意志を持って真正面から向き合い、仲間とともに思い出の種をたくさん蒔きましょう。
以上、ひさしぶりの再会を喜ぶとともに、2学期への期待をお伝えし、始業式の式辞とします。