【校長室だより】

1. 令和5年度第3学期始業式 校長講話

投稿日時: 01/09 校長

 元旦に発生した石川県能登地方を震源とする「令和6年能登半島地震」では、これまでに490人以上の死者、安否不明者が出ています。1週間以上経過した現在も、2万人8千以上の人たちが避難所生活を強いられています。被災された方々へのお見舞いを申し上げるとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りします。地震大国の現実を知る年明けになりました。防火避難訓練の際にもお話ししましたが、 こうした教訓を他人事とせず、自らの学びに繋げてください。 

  さて、辰年の2024年はどのような年になるのでしょうか?

 新たな年の初めに、「今年こそ良い年にしたい」と願う人は多いと思います。私もその一人です。とりわけここ数年は、年末になると「今年も大変な、厳しい年だった」と振り返ることが多くなり、新年の願いは年を追うごとに強くなっている気がします。今年は、ただ「なんとなく」ではなく、せっかくならしっかり達成できる方法で「目標」を設定してみませんか?

 夢や目標を掲げるときには、それを「いつ」達成するのかを、明確にすることが肝です。それは夢や目標を実現させるための大事なセオリーです。「夢」と「目標」は同じでありません。その違いはどこにあるかわかりますか? それは達成の「期限」が明確かどうかです。言い換えるなら、「いつかこうなりたい」、「いつかこれをやりたい」という夢は、期限を決めた時点で「夢」ではなく「目標」になるのです。

 真面目な人ほど、がむしゃらに頑張ります。頑張ることは確かに素晴らしいのですが、頑張ること自体が目標になってしまいがちです。残念ながらそれでは成果は出せません。成果を出す人というのは、ただ漫然と頑張ったりはしません。努力する前に達成すべきゴールを明確に決めてから、その実現のための戦略を考えます。ターゲットがはっきりしていれば、戦略の精度も上がります。だから、成果が出るのです。

 「いつ」「何を」達成するかを明確にする目標設定は、皆さんの努力や頑張りを成果につなげるカギとなります。これこそまさに目標設定・目標達成のための「技術」なのです。大事なのは「一度決めた目標は簡単に下方修正しない」という覚悟を持つこと。とりあえず「来年の北部支部大会で優勝する」を目指してみて、途中で無理そうと思ったら「3番くらいに変えればいいや」などと考えるようでは、目標設定をする意味がありません。だからこそ、目標を設定する時点で、その目標が自分にとってどれくらい難しいものであるか理解する必要があるのです。難しいとわかっていれば、気を引き締めたり、よりハードな戦略を検討したりすることもできるし、もちろん、自分にとって妥当だと思われるレベルにあらかじめ引き下げることもできます。

  実際には、

 1 まずは過去のデータや実績にはとらわれず、「こうなったらいいなあ」という自分にとって

  「最高の目標」を書き出します。

 2 次に、これまでの経験からすると、「これは確実に達成できる」という「最低限の目標」を

  書き出します。

 3 難易度としての「中間の目標」を書き出します(これは「感覚としての難易度の中間」であり、

  最高の目標と最低限の目標の数字的な「中間」というものではない点に注意)。

 4 達成までの期限も考慮しながら、1~3の目標を比較して、今回の目標はどのあたりが適切な

  レベルかを考えます。

 「最高の目標」から「最低限の目標」までの幅は、一人ひとりの「心の幅」でもあります。人間は自分の心の幅を超えることはできないので、心に描いた「最高の目標」以上の結果は得られません。自分自身の可能性に蓋をしないためにも、常に高い目標を思い描いてイメージを拡げ、心の幅の上限を伸ばしておきましょう。

  この一年がここにいる全ての人たちにとって、昇り龍のごとく飛躍の年になることを祈念します